米ミュージシャンのケニー・ロギンス(77)が、トランプ米大統領のSNSに抗議した。トランプ米大統領は18日に、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに、反トランプ抗議デモの参加者に汚物を空中から投下するAI生成動画を投稿。これに、ロギンスの楽曲が使用されており、抗議とともに削除を求める声明を発表した。

トランプ大統領は、「ノー・キングス(王はいらない)」をスローガンに掲げたトランプ政権の移民政策などに抗議する大規模なデモが18日に全米各地で行われたことを受け、自ら王冠をかぶり「キング・トランプ」と機体に描かれた戦闘機に乗って、ニューヨークの街中でデモ行進を行う群衆に向けて茶色い液体を投下する動画を共有。

この動画のBGMに、俳優トム・クルーズ主演の大ヒット映画「トップガン」(1986年)と続編「トップガン:マーベリック」(2022年)の主題歌として知られるロギンスの楽曲「デンジャー・ゾーン」が使用されていた。

ロギンスは自身の公式サイトを通じて「楽曲が無断使用された」と声明を発表。一般人がSNSで楽曲を使用する際には許可を求めたりはしないが、非常に影響力のある政治家は別問題だとコメント。

「自分自身を宣伝し、政敵を侮辱するためにこのような動画を共有する場合は、状況が異なる。トランプにとって(楽曲の無断使用は)初めてではない。彼は政治家としてのキャリアを通じて非常に多くのアーティストの楽曲を無断使用してきた」と述べ、「誰も私に使用許可を求めていないし、求められても私は拒絶していただろう」と音源の即時削除を求めた。

「なぜ、アメリカを分断することだけを目的に作られたものに私の楽曲が使われたり、関連づけようとしているのか、想像もつきません。あまりにも多くの人がアメリカを引き裂こうとしており、私たちは団結するための新しい方法を見つける必要があります。私たちは皆アメリカ人であり、全員が愛国心を持っています。『私たちと彼ら』という区別はないし、そうあるべきではありません。私たちは皆一緒です。共にこの困難に立ち向かっています。音楽が私たち一人一人を祝福し、結束させることを望んでいます」と記し、分断をあおるトランプ大統領を非難した。

全米2700カ所以上で行われ、700万人以上が参加したとされる抗議デモについて記者団に問われたトランプ大統領は、「私は王ではない。国を偉大するために全力で働いている」と述べていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)