エフフォーリア、ヴェラアズール、デアリングタクトなど、名だたるG1馬に出資してきたKAZFORIA氏が、出資馬を選択する上での着眼点を解説します。(毎週火曜日、木曜日更新予定)

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「目は心の鏡」と言うが、サラブレッドにもまさにそれが当てはまると思う。

後述するが、厳しいレースで他馬にひるまずに走って勝利するためには気性の良さ、すなわち「気力」「気の強さ」「賢さ」が必要だが、外見では見えない内面の気性を良く表しているのが目だと考えている。ディープインパクトなど幾多の名馬のオーナーとして有名な金子氏も、目を重視して馬を選ぶと聞いたことがある。

そして、「目が鋭い感じの馬」は気性が良いことも多い。目に意志、目力や輝きを感じる目である。具体的には、(1)まぶたの開きが細く、(2)ほとんど黒目で、(3)つりあがり気味の目が鋭く見えることが多い。

逆に目に意志、目力や輝きを感じず、力弱い感じの目は、気性の弱さや気性難につながることが多いので、敬遠している。

例えば、馬にはとても優しい感じの目をした馬がいる。一口を始めた当初は、そのかわいさにひかれ、穏やかで性格も良いのだろうと考えて多数出資したが、その大半が競馬では活躍できなかった。きっと厳しいレースで勝つための気力や気の強さが不足していたのだろう。

目がぼんやりした感じや、よどんだ感じの馬、まぶたが開き過ぎで黒目が丸く見える馬も、同様の理由で好みではない。

また、白目が目につく馬や、きょろっとした感じの目の馬は気性的に幼く、他馬と競ってレースで勝つための独立心に欠けることが多い。

どんなに馬体や血統が良くても、速く走る気のない気性難の馬は、レースで大敗を繰り返して終わってしまうので、「目の鋭さ」はとても大事な判断である。

感覚的で最初はとても難しいかもしれないが、上記視点で募集馬の目を数多く見ているうちに、正しい感覚が少しずつつかめてくると思う。

参考までに、2022年度キャロット募集馬では、スプリングゲイルの21の目つきは、細く黒目がちでつり上がり気味で、他を威圧する目力と意志を感じたので、プラス評価した。