121期早期卒業の太田海也(22=岡山)が17日に行われた久留米競輪チャレンジ決勝で優勝して、3場所連続完全VでA級2班特昇を決めた。

同じ早期卒業の中野慎詞(22=岩手)も13日付で特昇しており、ともに能力の高さを示した。


太田海也(21年12月22日撮影)
太田海也(21年12月22日撮影)

太田は中学時代から自転車が好きで、自転車部がある高校を目指したがかなわず、自転車部がない備前緑陽高に進学。往復40キロの道のりを自転車で通った。

「高校ではボート部に入りました。使う筋肉が自転車のものと近いように考えたんです」。そこで力をつけると日大に進学してボート競技に打ち込んだ。だが腰痛のため1年で中退。その後は地元岡山に帰りサイクルショップに勤務した。

「スポーツはスパッとやめて、勤務の傍ら好きなサイクリングをしていました。選手になったきっかけは、友人のお父さんが選手の田中栄次さんで、師匠になる藤田昌宏さんを紹介してもらいました」。遠回りしながらも選手への道が開けた当時を振り返る。

選手養成所では自転車のキャリアが浅いにもかかわらず、めきめき力をつけて早期卒業の栄誉をつかみ取った。

取材して感じたのはダッシュ力の素晴らしさだが、持久力も非凡。トップレーサーに求められる全てを備えている選手だ。加えて取材時に見せたさわやかな笑顔は、多くのファンを魅了するに違いない。

チャレンジ9連勝での2班特昇は当然の結果。次は18連勝でS級特昇をクリアして、ビッグレース出場の道を突き進んでほしい。