こんにちは。11日に川崎G3「桜花賞・海老澤清杯」決勝戦が行われ、地元の小原太樹が制しました。

胴上げされ気持ちよさそうに宙を舞う小原太樹
胴上げされ気持ちよさそうに宙を舞う小原太樹

 うれしいG3初制覇。勝った瞬間は「いっぱいいっぱいでわからなかった」そうですが、バックで山中秀将に背中をたたかれると、控えめに手を挙げてファンの声援に応えていました。

 今回は川崎G3の回顧録を。まずは、初めてのG3決勝に進んだ111期の松本貴治(24=愛媛)。

レース後に思案しながらクールダウンする松本貴治
レース後に思案しながらクールダウンする松本貴治

 優勝なら、新山響平の記録を抜く、現行制度のG3デビュー最速優勝記録がかかっていました。が、決勝は番手を巡って香川雄介と大塚健一郎が競る中、果敢に先行してまくられました。

 実は、この走りには伏線があったとみています。1予も番手競りのレース。6番手からの豪快まくりで1着を取りました。が、レース後、笑顔ひとつ見せず「先行できなかったので…」と、悔しさをにじませていました。番手が競られるのは先行選手の評価の証し。それをまくりになったことを悔やんでいた。だからこそ、決勝は「勝つ」より「先行」にこだわったのではないか、と。ちなみに、個人的には四国の選手は明るい選手が多い印象ですが、寡黙な24歳の職人気質な昔かたぎの競輪選手の印象を受けました。今後の飛躍が楽しみです。

「離れちゃった」と苦笑いの白戸淳太郎
「離れちゃった」と苦笑いの白戸淳太郎

 小原Vの陰の立役者は同じ地元の白戸淳太郎(44=神奈川)でしょう。3番手ながら浅井康太のまくりをブロックする献身的な走りで4着。「もういっぱいでした。あれ(ブロック)は苦し紛れです。アシスト? そう見てくれるならうれしいですね」。優秀「日刊スポーツ旗ダイヤモンドレース」でも南関5番手を固めていましたが、準決では3番手からシビアに内を突いて決勝行き。誰もが勝ちたい、でも、自分が勝てないならラインの誰かを勝たせたい。これが人と人が走る競輪の奥深さなんだと思います。【山本幸史】