Jリーグは佳境を迎え、今季はワールドカップ・カタール大会が11月20日から始まるというスケジュールです。現地では、コロナ・パンデミックは「通り過ぎ去った台風」のような感じ。新たな盛り上がりに期待です。
その中で、既に報道がありましたが、レアル・マドリードで総会が開かれ、経営報告では次のようにありました。2019~20シーズンと2020~21シーズンはコロナ・パンデミックの影響が大きかったものの、昨シーズン(2021~22シーズン)の収益は7億2200万ユーロ(1ユーロ=140円計算で1000億円超)に達しており、これは前季比較で10%増。大幅な営業費用の削減など、社員一丸となって経営努力がなされてはいるものの、パンデミック前の2019~20シーズンの予算を1億ユーロ(140億円前後)下回っている結果となったと発表しました。コロナ・パンデミックの影響を受けた3年間で、約4億ユーロ(600億円前後)近い損失を計上したことになったとありました。
レアル・マドリードでさえ、なんとか数字を作ることでいっぱいいっぱいです。当然ながら小さなクラブはもっと厳しい状況であることが予測でき、リーガの場合は分配制度を採用していることから、まだなんとかリーグとしてやっていけている、そんな状況だと思います。
その報告でも、放映権ビジネスについて指摘がありました。世界的なインフレーションの中で有料チャンネルも当然契約価格を値上げしています。高いと感じるユーザーは契約を諦めることになり、残ったコアファンと高額な契約をしていくわけですが、契約者数は単純に減少しており、この時点でビジネスに限界がきているという内容でした。リーガの手法についてはもう1つ反対意見を述べており、クラブの権利の抵当を50年という長い期間において渡してしまう取引を認めたことに対しても改めてビジネスを間違っていると述べていました。
特に現行フォーマットに対する不満をレアルのペレス会長は強く述べており(これが新リーグ創設のきっかけとしているわけですが)、実際のところFIFAのワールドカップも欧州チャンピオンズリーグも底辺を広げることに注力しており、終盤にならないとファンの注目を集めることができていないとしていました。何かもっと上手いやり方はないのかと思う部分がありますが、限定感を出せば出すほど、一部のクラブの利にしかならず、それはそれで課題が残り、難題を突きつけられている状態にあると感じます。
さらにペレス会長は、若年層のファンはフットボール離れを起こしていると警鐘を鳴らしました。南米でも同様のことが起きており、ハイライトすら見なく、スマホのアプリで結果を見るだけになっている現状をなんとか打破していかないといけないという姿勢を見せました。
どの課題に対しても具体策がなく、難題なことは間違いありませんが、現行のモデル、フォーマットが現代社会に適していないというのは少なからずあるのかもしれません。定期的に作り替える・アップデートしていくことで常に新しいものを表現し、時代の変化に適合していく姿を求めているのかもしれません。そういう意味ではさらなる今後の動きに注目です。【酒井浩之】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「フットボール金融論」)




