試合後の言い訳はいつもと変わらないね。相変わらず「チャンスはつくった」。森保監督は、この言葉を何度言えば気が済むんだ。チャンスを10回つくれば、得点として認められるのか。チャンス、チャンス。もううんざりだね。頼むから点を入れてくれ、と言いたくなっちゃうね。

メキシコとの決定的な違いは、選手交代でチームが活性化するか、どうか。相手は後半開始に新しい選手を入れて、流れを一気に変えた。日本はどうか。南野、久保、浅野、三好ら攻撃的な選手を次々と投入したが、だれ1人展開を変えた選手はいたのか。ピッチ上でうろうろしただけで、霧の中で迷子になっちゃってたね。

もう1つ。相手は決める選手が決めて2得点。日本はいまだに決める選手を探している状況だ。W杯まで2年しかないので、ゴールを決める選手をまだ探してるって、悲惨すぎるね。これじゃW杯でも期待できないし、その前にアジアを勝ち抜けるかの疑問もある。大迫がいなかったと、慰めるのが精いっぱいだろうね。

後半の2失点は相手がやり方を変えたから。前半はパス、パスで崩しにかかったが、日本がそれにうまく反応した。後半はサイドを1対1で崩したり、中央でも1対1を仕掛けた。日本の弱点を45分で把握し、突破口を見いだしたね。日本はどうなの。90分を同じパターンで戦ったんじゃないの。しかも途中から精度が落ちて、継続性もなかったね。

この遠征でメキシコは、23歳以下の若手をどんどん試して、結果を残している。日本の若手はチャンスは与えられたが、結果には結びつかなかった。メキシコは、東京五輪予選で敗退したチーム。この力関係を考えた時に、A代表だけでなく、東京五輪の展望も決して明るくないね。(日刊スポーツ評論家)