サッカー現場発

「不利」判定泣く日本 1次突破が「公正」への1歩

日本対ウルグアイ 前半、植田(右)がカバニをペナルティエリアで倒してしまい、VARの結果PKとなった(撮影・河野匠)
日本対ウルグアイ 前半、植田(右)がカバニをペナルティエリアで倒してしまい、VARの結果PKとなった(撮影・河野匠)

審判の判定が試合の明暗を分けることは、それほど珍しくもない。南米選手権(コパ・アメリカ)のウルグアイ戦もそうだ。植田のチャージがPKとなり、中島のマルセイユ・ルーレットはノーファウルで流された。いずれも攻撃側の選手は主審に相手のファウルをアピールした。1人は世界的FWカバニで、もう1人は東洋の無名選手だ。しかもその国は、初戦のチリに0-4で惨敗している。

実はこの判定は、開催国ブラジルでもちょっとした話題になったという。知人の日系ブラジル人は「植田のプレーがファウルなら、これからサッカーは毎試合2ケタの得点が記録される時代に入る」と冗談交じりに話す。一方で、長年審判を務め、国際試合も数多く担当した日本人のある審判に聞くと「あれは間違いなくファウル。主審がPKを与えるのは当然。相手のシュートを明らかに正当ではないプレーで阻止している」という。

では中島のプレーは? 日系ブラジル人は「あのプレーをメッシやネイマールがやったら間違いなくファウルをもらえてPKだ。相手は明らかに中島の進路を妨害しているが、主審の心のどこかに“アジアの選手がそんなにうまく次のプレーに移行できるはずがない”の心理が働いたのだろう」と話す。

前記の日本人主審はどうか? 「あのプレーは審判の中でも判断が分かれますね。でも半分以上はPKと思っている。私はPKだと思うけれど、PKを与えるほどではないと思っている人もいます。でもメッシが同じプレーをしていたら、ほとんどの主審が笛を吹くでしょうね」。

開催地ブラジルでも、新聞、テレビなど各マスコミが「日本は判定により勝ち点2を奪われた(勝ちの場合勝ち点3で、引き分けは1のため)」との報道がいくつもあったという。私もまったくの同感である。

先日、浦和-湘南戦の誤審問題が話題になった。その後、日本サッカー協会とJリーグは改善策を発表した。しかし今回の南米選手権は、VARが導入されていてもこの結果だ。審判の判定に誰もが共感できるわけではなく、すべての判断が正しいとも思えない。

今回の一件で、私個人的に得た最も大きな教訓がある。「もっと強くなろう。世界中のどの審判が裁いても、先入観を持って笛を吹かせないためにも」。まずは次のエクアドル戦に勝って、決勝トーナメントに進出することが、その第1歩になるのではないだろうか。【盧載鎭】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)

日本対ウルグアイ 後半、相手選手に倒される中島(撮影・河野匠)
日本対ウルグアイ 後半、相手選手に倒される中島(撮影・河野匠)

◆盧載鎭(ノ・ゼジン)1968年9月8日、ソウル生まれ。88年に来日し、96年入社。サッカー担当21年目+相撲担当2年。最近の関心事は長女の大学受験、次女のフェンシング成績、妻の美容、自分の公休&有給消化。

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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