サッカー現場発

森保ジャパン目標は十分達成 試合の比重の見極めを

11月の代表戦。A代表が14日にアウェーでキルギスとアジア2次予選を戦い、19日にベネズエラとフレンドリーマッチ(親善試合=吹田)を行った。間の17日にはU-22日本代表のコロンビア戦が広島で開催された。五輪とA代表掛け持ちの森保監督は1週間でメンバーを変えながら3試合をこなすハードスケジュールだった。

森保監督
森保監督

結果はご承知の通り、キルギスに2-0で勝って2次リーグ無傷の4連勝、五輪年代はコロンビアに0-2で負け、主力の多くを欠いたベネズエラ戦は1-4の惨敗だった。3戦が終わり、森保監督には「兼任は難しいのでは?」との疑問の声が上がり、五輪年代は3バック、A代表は4バックで戦ったことで「年代別に戦術に一貫性がない」など、厳しい評価が相次いだ。

国を代表して日の丸を背負う以上、日本代表は勝利への使命がある。今回、負けた2試合を擁護するつもりはない。日本サッカー協会、監督、スタッフ、選手は非難を避けてはいけないし、真摯(しんし)に受け止めるべきだ。当然、そうしていると信じているし、負けて学んだこともあったはずだ。

私は11月の3試合を非難するつもりはまったくない。最も大事なW杯予選で勝ったわけだから、目標は立派に達成したと思っている。「戦術に一貫性がない」と非難する評論家やメディアに言いたい。「森保監督の就任理由をもう忘れてる?」。森保監督は広島監督時代、3バックを基本に、選手構成によって4バックも併用した。その柔軟性も選考理由の1つだった。

ベストの選手を集めて、その時の選手構成によってベストな戦術を用いることができる指導者だから、日本代表監督に選択された。時間帯、スコアによっても戦術は変わる。日本はブラジルやドイツ、スペインのような強国ではない。W杯で自分のスタイルを貫いて勝ち切るほどの力はない。なら、相手のウイークポイントを突き、隙を見つけるしかない。

今回は、公式戦で結果を出し、強化を目的とした親善試合で課題を残した。目指すは、来年の東京五輪であり、22年のW杯カタール大会のはずだ。ファンが、目の前の試合に一喜一憂する気持ちは仕方ないとしても、サッカーの専門家や深く関わっている人たちは、その試合の比重や目的を冷静に見つめる必要がある。

今のところ、森保監督に対する、私の唯一の不満は、言葉力のなさだけ。インタビューなどで、教科書通りの言葉をたんたんと述べるだけでなく、時には分かりやすい象徴的な表現で、たまにはカリスマ性あふれる強い口調で、世の中に日本代表を発信してほしい。【盧載鎭】

◆盧載鎭(ノ・ゼジン)1968年9月8日、ソウル生まれ。88年来日し、96年入社。20年以上サッカー担当。森保監督、なでしこの高倉監督とは申(さる)年の同級生。日本代表の新戦闘服・日本晴れより、五月晴れのようなありがたい存在になりたいと思う今日この頃。2児のパパ。

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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