サッカー現場発

札幌DF浜大耀の迷い消した先輩・神戸西大伍の言葉

先輩の言葉に、生きざまを決めた選手がいる。北海道コンサドーレ札幌DF浜大耀(21)だ。先輩とは、ヴィッセル神戸DF西大伍(32)。ともに札幌U-18出身。12月10日、契約更改面談を終えた浜は「僕はここで『お前はいらない』って言われるまでやるつもり。最近そういうスタンスに変わりました」と、真っすぐ前を見て言った。きっかけが西だったという。

19年10月、練習中にリフティングする札幌DF浜(撮影・保坂果那)
19年10月、練習中にリフティングする札幌DF浜(撮影・保坂果那)

11月、日本プロサッカー選手会総会で2人は初対面した。プロ3年目の浜はリーグ戦出場はまだない。西が口にした考えが、突き刺さった。「『試合に出てないのに、例えばレンタルとかで移籍するのは自分はしたくない。チームに出ろと言われたり、別のチームに欲しいと言われたら別だけど、自分が試合に出られていない状況ではしない』って言っていた。その通りだなと思った。他のチームを探すのは逃げとしか思えなくなった」。一般的に、出場機会を求めて移籍する選手は多い。浜も「それが普通」と否定しない。ただ自身は、まずは現在いる場所で、やり抜く道を選択したのだ。

浜のそのスタンスは、サッカー以外でも通じる。17年から早大人間科学部eスクール(通信教育課程)に在籍する。サッカーとの両立の難しさに、卒業できずに退学する選手も中にはいるが、「やるって決めたらやるので」。試験時期とキャンプ時期は重なる。今年1月のタイキャンプ中はインターネット環境に悩まされ、講義や試験をうまくこなせなかった。そんなこともあり、6年での卒業を目指す。単位は順調に取得しているという。

「ユース出身で一番活躍している。偉大過ぎて、全然しゃべれなかった」という浜の姿に、西からこんな声も掛けられていた。「初対面の人との距離の詰め方も、プレーに出るよ」。さりげなく口にしていたという言葉にも「すごいためになった。追いつけるように」と、先輩を目標にする。来季へ「クラブから『何年後かにお前がバックラインの中心でやれ』と期待してもらった。必要なのは結果だけ」。迷いが消えた浜の4年目に、注目したい。【保坂果那】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)

◆保坂果那(ほさか・かな)1986年(昭61)10月31日、北海道札幌市生まれ。13年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、16年11月からプロ野球日本ハム担当。17年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。19年12月から冬季競技の取材にも、本格的に取り組む。

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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