サッカー現場発

J再開 今度はサポーターが応援のプロ意識みせる時

欧州主要リーグは再開1週間前まで選手やスタッフに新型コロナウイルス感染者が出ながらも、公式戦再開にこぎつけた。もっとも早く5月16日に再開したドイツ・ブンデスリーガでは2週間前にケルンで3人、1週間前には2部ドレスデンで2人の感染者が確認された。ドレスデンがハノーバーとの再開初戦を延期した以外は大きな混乱なく、6月末にすべての日程を消化できた。

19年12月7日、満員の日産スタジアムで15年ぶりの優勝を決め、サポーターと喜びを爆発させる横浜イレブン
19年12月7日、満員の日産スタジアムで15年ぶりの優勝を決め、サポーターと喜びを爆発させる横浜イレブン

6月17日に再開しているイングランド・プレミアリーグは試合1週間前までに計8回の検査を実施。再開1週間前に2人が陽性反応を示しながらも再スタートに踏み切った。「綱渡り」の感もあった欧州リーグの再開時に比べ、Jリーグには「追い風」があった。中断中の約4カ月間で選手ら関係者にコロナウイルス感染者は確認されたものの、再開直前の最新検査で選手やスタッフ全員が陰性。これが今季再開に向けた大きな後押しになったことは間違いない。

ブンデスリーガで8連覇を達成したバイエルン・ミュンヘンのエースFWレバンドフスキは無観客試合で決めた優勝の際、こう言った。「ファン不在で優勝を祝うことは奇妙で複雑だ。(無観客で)ファンのムードと情熱がない」と残念がった。プレミアリーグではリバプールが2位マンチェスター・シティーの敗退を受けて30年ぶりの優勝を決めたが、その際は本拠地アンフィールド周辺に2000人近くのファンが集まった。ソーシャルディスタンス違反ながら地元警察は寛大な態度で阻止しなかったが、公序良俗違反で10人の逮捕者が出てしまった。そして、いまだチームとファンが一緒に歓喜できるタイミングがみえてこない。

一方、Jリーグには優勝を喜び合い、最終節の時間を共有するチャンスが残されている。リモートマッチ(無観客試合)での再開となるものの、10日以降には観客を迎えた公式戦開催を見込む。8月1日以降は徐々にスタジアム収容人数を増やしていく方針だ。リーグや各クラブの努力、選手やスタッフのプロ意識が実現させた今季再開に対し、今度はサポーターが応える順番になると思う。

12月のリーグ終盤にチームと一緒にスタジアムで過ごす未来のため、リモートマッチの時期はスタジアム外にも集まらない。テレビやスマホの画面を通じて自宅で試合を応援し、楽しむことでサポーターの矜持(きょうじ)を示す。応援のプロ意識をみせる時だろう。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「現場発」)


◆藤中栄二(ふじなか・えいじ)1970年(昭45)9月3日、長野・上田市生まれ。93年に入社し、サッカー、五輪、バトル、ゴルフなどを担当。20年1月から3度目のサッカー担当復帰。

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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