日本代表FW本田圭佑(30)の新境地「攻撃的MF」に、DF長友佑都(30)が太鼓判を押した。

 8日、前日7日の国際親善試合シリア戦で後半18分から試された、本来の右FWとは違う位置でのプレーを絶賛。W杯ロシア大会アジア最終予選イラク戦(13日、テヘラン)では、左肩関節前方脱臼で離脱したMF香川真司(28)の代役として、5試合ぶりに先発復帰する可能性も出てきた。チームは都内で約1時間半の練習を行い、国内合宿を打ち上げた。

 本田は仲間と時折笑顔を見せながら、ランニングやストレッチなど約45分で国内最終調整を終えた。3トップの右FWでは久保に定位置を奪われ、シリア戦でも4戦連続ベンチスタート。だが、後半開始から右FWで出場し、同18分からは逆三角形に配した攻撃的MFに初起用されて躍動。ともに日本代表を長年支えてきた長友からも「想定はしていなかったが、どんなプレーをするんだろうと楽しみだった。(本田)圭佑があそこを極めたら面白いことになる」と期待された。

 悪い流れを変えたのは本田だった。間延びしていたFWとDFラインの間で起点となり、ためをつくった。長友も「左利きがいることで、左サイドにもサイドチェンジできるからやりやすい。大きな武器になるし、アクセントにもなる」。3月の敵地UAE戦で初採用されたこのシステムは、イラク戦でも継続される見込みだ。「中盤が良い形で使えないと機能しない。インサイドハーフ(攻撃的MF)が肝になる」と長友。本田とのパス交換で好機をつくったFW大迫も、シリア戦後に「ためがあったし、チャンスが増えた。自分としてはやりやすい」と手応えを得ていた。

 ハリルホジッチ監督からも、名指して高評価された本田。西野技術委員長も「トライしてみたかった。試せたのは良かった」とイラク戦での起用も示唆した。当日13日は31歳の誕生日。攻撃的MFの新境地を得た“ニュー本田”のバースデーともなりそうだ。【鎌田直秀】