完封で五輪予選に弾み! J2札幌GKク・ソンユン(20)が19日、16年リオデジャネイロ五輪の予選を兼ねたU-23アジア選手権予選(27日初戦、インドネシア)に出場するU-22韓国代表に選出された。21日の次節福岡戦(札幌ドーム)出場後、29日大宮戦、4月1日京都戦は欠場する。開幕2戦は各1失点しており、チーム離脱前に初完封で勝利を呼び込み、代表でのアピールにもつなげる。

 吉報を初完封へのエネルギーにする。クは1月にもU-22韓国代表合宿に招集されていたが、今回の発表が正式な五輪予選メンバーとなる。世代的には1歳下だが、前回に引き続き招集され「選ばれて本当にうれしい。試合に出て本戦にも出られるよう頑張りたい」と意気込んだ。昨年11月の同代表初招集から、地道にアピール。加えて今季は、札幌移籍後、開幕戦でJデビューを果たすなど、公式戦でのプレーぶりも評価されての連続招集となった。

 代表離脱前に、チームでやり遂げておきたいことがある。次節福岡戦に向け「常にゼロを目指している。次こそ、抑えたい。勝って代表にいきたい」と強い口調で言った。開幕戦(2-1)はDF陣のミスからゴール前に持ち込まれ、前節長崎戦(0-1)はゴール前のこぼれ球を押し込まれ失点した。自らのミスではないが、無失点こそが結果とされるGKの世界だけに、まずはホームで“3戦目の正直”を目指す。

 札幌ドームの歓声が、待ち遠しい。プロ初の公式戦となったアウェー栃木戦の観衆7146人に対し、同ドームでの長崎戦は約2・5倍の1万8086人。「前日練習とは全然、雰囲気が違った。鳥肌が立った。すごくいいスタジアム」と振り返る。ホームならではの大音量のアナウンス付き選手紹介、屋根に反響するサポーターのエール、すべてが初体験だった。最高のムードを醸し出してくれたファンに、今度こそ、しっかり結果を届けたい。

 2戦連続のドーム戦に向け「歓声が響くので、声をしっかり出さないと周りに伝わらない。そういう部分も気をつけたい」と心構えもインプット。壁が遠く、距離感がつかみにくいホバリングステージの中、キックミスもした。ずるずる下がるDFラインを背後から鼓舞することもできなかった。ふがいなかったドーム初陣。プレーの質、メンタル面、すべてを精査、修正し、失った勝ち点3を取り戻しにいく。【永野高輔】