浦和がMF高木俊幸(24)の移籍後初得点で、柏に勝った。好セーブ連発の柏GK菅野孝憲に苦しめられ、終盤までゴールが遠かったが、後半39分に投入されたペトロビッチ監督期待の若手が貴重な決勝点。今季、清水から移籍後、公式戦22試合目にして飛びだした待望のゴールだった。暫定ながら浦和は年間勝ち点で首位に立った。
後半43分。高木はエリア内左サイドからシュートを放った。決して強い一撃ではなかったが、柏GK菅野の目の前でバウンドが変わった。差し出す手をすり抜け、ゴール内に弾んだ。
高木 シュートが決まらない間、ためていた運を使いました(笑い)。ここで決めて、大声援を受けるのが夢だった。遅すぎる初得点ですけど、今は素直に決まってよかったと思う。
スーパーセーブ連発の菅野のゴールを破った。それ以上に、長いトンネルを抜けての移籍後初得点に、チームが喜びに沸いた。MF宇賀神は「苦しみを知っているから、思わず泣きそうになった」。ペトロビッチ監督はピッチ内まで駆け込み、高木を抱き締めた。
清水時代は、途中出場でもハットトリックを記録。それが今季はゴールが遠かった。先発抜てきの第2ステージ第3節広島戦では、自ら獲得したPKを志願して蹴るも失敗。チームも1-2で敗れた。
開幕からの無敗記録が止まり、自責の念から涙に暮れた。指揮官はそれでも高木を先発で起用し続けた。期待に応えて好プレーを連発し、毎試合チャンスを量産。しかし肝心のシュートが入らない。MF梅崎に先発を譲り、再びベンチが定位置になった。途方に暮れそうになった時、2月に長男を産んだ夫人の姿に、ハッと気付かされた。
高木 赤ちゃんは昼夜関係なく、おっぱいを欲しがって泣きだす。ストレスだと思うけど、奥さんはじっと耐えて頑張っている。まだ若くて、本当はやりたいこともあるはず。いくら思い通りにいかなくても、自分はやりたいサッカーがやれている。頑張らないと。
元プロ野球選手の父豊氏のアドバイスも背中をおした。「重圧に負けず、無心に打てるまで、練習を重ねるしかないんだ」。練習から無数のシュートを打ち続けてきた努力が、幸運にも味方され、ついに結果に結び付いた。【塩畑大輔】



