サッカー日本代表の浦和MF柏木陽介(28)とTBS佐藤渚アナウンサー(28)が3日、婚姻届を提出した。サッカー取材の現場で一緒になり、意気投合。出会いから4年で、結婚することになった。

 

 ◇   ◇

 昨年の春ごろから、恩師のペトロビッチ監督は「今の彼女と付き合いだしてから、陽介はプレーもとても良くなったんだよ」と話していた。

 柏木は2007年に19歳で、オシム監督によって日本代表候補に抜てきされた。高精度の左足キック、視野の広さ、アイデアの豊富さでさらに台頭。10年には広島から浦和に移籍し、日本代表でも司令塔として出場機会を得ていた。

 しかしその後は心身のバランスを崩し、長いスランプに入った。体調を崩したまま練習場に現れ、ペトロビッチ監督から叱責(しっせき)されたことまであった。

 それが昨年から、見違えるように復調。浦和の攻守のタクトを見事にとり、3年8カ月ぶりの日本代表まで果たした。

 GK西川らチームメートは「ヨウスケがチームのMVP」と口をそろえ、柏木本人も「第2のサッカー人生が始まった年」と振り返った。

 ペトロビッチ監督は、柏木にとって父親のような存在。広島時代から一貫して、愛弟子をあたたかく見守ってきた。

 だからこそ、佐藤アナが再台頭を目指す柏木の支えになってくれていることを、とてもありがたいと感じていた。

 報道陣に、柏木大活躍の陰に「内助の功」があることをサジェスチョンしたのは、心から感謝しているからこそだろう。

 ◇   ◇

 柏木は前日の2日深夜、プロゴルファーの石川遼と連絡を取り合っていた。石川はこの直前に、中学時代の同級生と8年の交際をへて、結婚したことを発表していた。

 柏木を驚かせたはずの石川だが「オレも明日、婚姻届を出すねん」と報告を受け、逆に驚かされた。

 2人は昨年末に一緒にゴルフをしたことをきっかけに、一気に親しくなった。1月1日の天皇杯決勝の浦和対G大阪戦は、柏木が左ひざ負傷で欠場していたこともあり、一緒に特別観覧室で観戦した。

 石川が1月中旬に、ソニー・オープン出場のためハワイに入った際には、柏木が石川のために自主トレの施設やパートナーを手配したこともあった。

 米ツアーに同行するチーム石川のスタッフによれば、石川がスマホとしばらくにらめっこしている時は、たいてい柏木とLINE(ライン)のやりとりをしているという。

 早くから台頭し、苦境を乗り越えて再び高みを目指す。競技は違っても、2人の境遇は似ている。

 柏木は昨年の復調を足掛かりに、浦和でのタイトル獲得、そして日本代表での定位置奪取を目指す。石川も米国転戦3年間で培ってきた技術、体力を生かし、米ツアー初優勝を狙う。

 太平洋を挟んで遠く離れても、志は同じ。くしくも1日違いで身を固めた2人が、結婚を機にさらなる飛躍を目指す。【塩畑大輔】