お茶の間でおなじみの“高田社長”がクラブ経営に乗り出す!? 通信販売大手ジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)が10日、都内で会見を開き、経営難に陥っているJ2V・ファーレン長崎を支援する意思を表明した。高田旭人社長(37)と創業者の高田明氏(68)が出席。3年で10億円以上を出資して経営権を取得する方針を示した。実現した場合、明氏がクラブ経営を行う意向だ。

 テレビショッピングで見慣れた収録スタジオが会見場だった。高田親子が並んで座り、表明した。

 旭人社長 今後、株主の皆さまに相談し、100%近い株式を持って支援したい。

 同社はグループ企業が09年からユニホームスポンサーを務め、現在、クラブの株式約20%を保有する筆頭株主。既存の株主と今後の協議で最終的な支援の形を決める。旭人社長は7日に5億円を超える出資を打診した英会話学校大手NOVAの稲吉社長とも意見交換したといい「お互いにいい着地点が見つかるといいですね、という会話をした」と話した。

 長崎は累計赤字が17年1月決算で約3億円に膨らむ見込み。7日にクラブの財務情報を確認し、両氏と役員が話し合い、9日に支援を決断した。6月の時点で債務超過があれば、Jリーグの規定でJ3降格は避けられない。旭人社長は「1~2週間で合意形成ができれば、スピード感を持って対応できる」とし、急ピッチで各方面と話し合いを進める意向を語った。

 ◆V・ファーレン長崎 1985年(昭60)、有明SCとして創設。04年国見高OB主体の国見FCと合併。同年の県リーグで優勝し、九州(KYU)リーグ昇格。05年、現名称になる。10年には運営会社の取締役だった小嶺忠敏氏(71=現長崎総合科学大付サッカー部監督)が辞任。13年にJ2参加。本社は長崎県諫早市多良見町市布1558。池ノ上俊一社長。