ガンバ大阪が優勝争いへ手痛い黒星を喫した。地元のシンボル「太陽の塔」とコラボした特別ユニホームで臨んだホーム戦で、ジュビロ磐田に0-2と完敗。何度も好機をつくり相手を上回るシュート10本を放ったが得点できず、警戒していたセットプレーから2失点した。夏場に強いはずが、最近6試合で1勝1分け4敗と失速。首位鹿島も敗れ勝ち点10差は変わらなかったが、6位から7位に後退した。

 3万5000人を超える観客が詰めかけたスタジアムを、ため息が包んだ。近くの万博記念公園に建つ「太陽の塔」が描かれた白を基調とした特別ユニホームが来場者にプレゼントされ、普段は青に染まるスタンドは真っ白に。だが、それにあやかり「白星」につなげることはできなかった。セットプレーを警戒していたはずなのに前半19分、後半28分と相手MF中村のFKから失点。ファウルしたMF遠藤は「セットプレーは防がないといけない部分だった。言い訳できない」と唇をかんだ。

 疲労のたまる夏場に、主力が欠けていた。5日の甲府戦で右前十字靱帯(じんたい)を断裂したMF藤本が全治約8カ月。さらにDFファビオが負傷、オ・ジェソクが累積警告で出場停止、MF井手口も体調不良で欠場した。

 それでも守備を3バックにし、流れの中で得点は許さなかった。それだけに長谷川監督も「中盤も流動的だったが、感じは悪くなった」と無念そう。シュート10本で決定機は何度も作ったが、攻撃陣が決め切れない。GK東口は「もう1歩のところまできているけど、点を取り切れないのはどうしていいのか…」と頭を抱えた。

 ここ6試合で1勝1分け4敗。例年は夏場に調子を上げるG大阪が、思わぬ失速で7位に後退した。だが、首位鹿島と勝ち点10差のままなのが救い。主将の遠藤は「まだまだ手の届くところではある。連勝していけば可能性もある位置」と前を向く。気持ちを切り替えて試練に立ち向かい、総力戦でこのいばらの道を乗り越えるしかない。【小杉舞】