清水エスパルスGK西部洋平(36)が、560日ぶりに実戦復帰した。15日、清水三保グラウンドで行われたサテライトリーグ広島戦に先発出場し、45分間プレー。元日本代表FW工藤壮人、皆川佑介を擁する広島を無失点に抑え、手応えを口にした。「しっかりプレーできました。正直、ドキドキもあったけど、実戦で確認できました」。

 前半31分には、至近距離で1対1になるも間合いを測り、シュートコースを限定して腕でセーブ。相手には2度の決定機があったが、安定したプレーで防いだ。小林伸二監督(57)も、西部の実力をあらためて評価した。「反応が速い。1対1で(相手が)シュートを打つところがなかった。本当にすごい」。

 西部は昨年4月に右大腿(だいたい)直筋を負傷。今年4月には左太もも裏の肉離れを負ったが、ようやく公式戦復帰が近づいてきた。前日、チームは磐田との静岡ダービーに敗れて暫定14位。15位の甲府がこの日、東京と引き分けて、清水の順位は14位のままだが、降格ライン16位広島との勝ち点差は2しかない。シビアなJ1残留争いに向けて、副主将の西部は言った。「プレーできるから言えることがある。チームでまとまりを持たないと厳しい。選手といろいろ話してみようと思う」。

 闘志を胸に、残り5戦で今季初のメンバー入りを目指す。【保坂恭子】