J1に今季初昇格するV・ファーレン長崎は9日、長崎市の原爆資料館などで、選手とスタッフら約50人が原爆について学ぶ研修を、クラブとして初めて実施した。同じ被爆地に本拠を置く広島は同様の研修を行った前例がないという。

 昨年4月に就任した高田明社長(69)の「長崎にあるチームである以上、平和への思いは知っておかなければいけない」との方針で研修が行われた。同資料館をガイドに案内されながら見学。中身とともに黒く焼け焦げた弁当箱を見て「ふたは閉まっていたのですか」と信じられない様子で質問する選手もいた。

 長崎歴史文化博物館では13歳で被爆したという丸田和男さん(85)の体験談に1時間ほど耳を傾けた。J2新潟から今季加入のFW鈴木武蔵選手(23)は「長崎のために1年間戦い抜く気持ちが高まった」と話した。