FC東京の16歳MF久保建英が、横浜F・マリノス戦でトップチームの公式戦に初先発し、フル出場した。後半、自らFKを蹴るなどゴールを狙ったが決めきれず、試合後は「やれた部分はあったけれど結局、最後で決め切れていないのが自分…非常に痛い」と悔しさを吐露した。

 この日はトップ下に入り、この日対戦の横浜から期限付き移籍のFW富樫敬真と永井謙佑の2トップとポジションチェンジをしながら、最前線にも顔を出した。前半10分、前に飛び出したGKの背後にすかさず入り込み、決定的なチャンスを迎えたかに見えたが、ペナルティーエリアのライン付近でDFに倒された。久保は両手を広げてアピールしたが、審判は流した。後半9分には、GKがやや前に出たのを見て、ゴール前約30メートルから大きく浮き球を蹴り上げてゴールを狙った。

 久保はGK飯倉が飛び出すところを狙っていたかと聞かれると「スカウティングで、GKの選手が前に出ているという情報があったので、狙っていけたらいいな…と思った。前半から狙っていけという話だったんですけど、前半、自分が良い形で前を向いた時、顔を上げることが出来ていなかった。後半、1発目から狙っていきました。(後半のシュートは)外してしまいました」と振り返った。

 前半26分には、50メートル5秒8の快足で知られる永井が左サイドをドリブルで駆け上がると、ピッチ中央を並走。永井がDFに阻まれてボールを失うと、こぼれ球を猛然と追った。

 後半13分、20分には、味方が倒されてFKを得ると、自らボールに歩み寄って蹴ったが壁に弾かれた。久保はFKを自ら志願して蹴ったか? などと聞かれると「蹴りたいなとは思っていました。ある程度、決まっている中で、蹴りたいなと。まぁ、ゴール以外、狙うものはないんで。狙ったところにいったんですけど、ちょっと壁に当たっちゃって…次から練習で、もっと違う蹴り方を考えていけたらと思います」と語った。

 そして「途中出場だとしても先発だとしても、チーム一丸となって勝利を狙っていけるように…今日は悔しいですけど、次の試合に勝てるよう頑張りたい」と気持ちを切り替えた。【村上幸将】