J1初参戦のV・ファーレン長崎がホームの利を生かし、昨年ACLを制したアジアチャンピオンの浦和レッズと引き分けた。先制点を守れなかったが、昨季J2から続くホーム試合は8試合連続で負けなし。今季ルヴァン杯1試合を含む4戦未勝利だが、全試合で得点しており、初勝利へ手応え十分だ。

 長崎はまたしても初勝利を逃したが着実な成長を示した。1万5975人の大観衆を前に昨季から続くホーム試合は8試合連続負けなしとなった。前半44分、FW鈴木がPKを決めリーグ2戦連続得点で先制。鈴木は後半も縦パスから相手GKと1対1から果敢にシュート。右に外したが、長崎選手総年俸約4億の倍以上の戦力を誇るタレント軍団の浦和を脅かした。

 同31分、CKから追いつかれルヴァン杯1試合を含む3試合連続で先制した試合を引き分けとされた。だが高木監督は「1点リードしたが守りは考えず、2、3点目を取る流れだった。失点は仕方ない」と成長に目を見張った。鈴木が「クオリティーが高くスキを突いてくる」と、J1レベルを体感したのも事実。それでも「点をもっと取って相手の息の根を止められるようにしたい」と、さらなる飛躍を誓った。

 引き分けはしたが、第2節でJ1屈指の堅守を誇る鳥栖から2点を奪うなど、今季4戦すべてで得点していることが自信につながっている。高木監督は手応えを問われ「リーグやカップ戦で先制点を取れていることが、そういうこと(手応え)につながってる」と前を向いた。【菊川光一】