U-22日本代表で川崎Fから仙台に期限付き移籍していたDF板倉滉(21)が、昨季の英プレミアリーグ王者、マンチェスターCへ完全移籍することが14日、分かった。日本人選手がマンチェスターCに加入するのは初。板倉はA代表経験がなく、英国での選手登録に必要な労働許可証の取得が困難なため、欧州の他国クラブに期限付き移籍し、修行することになりそうだ。東京五輪世代の守備の要が、世界へ大きな1歩を踏み出した。

U-22日本代表で川崎Fから仙台に期限付き移籍していたDF板倉滉(21)が、昨季の英プレミアリーグ王者、マンチェスターCへ完全移籍することが14日、分かった。板倉は既に出国し、メディカルチェックを受けており、近日中に正式発表される見通しだ。

同クラブは名将グアルディオラ監督が指揮を執り、17-18年シーズンは圧倒的な強さでリーグ優勝を果たした名門。かつてMF香川真司が所属したマンチェスターU、アーセナル、チェルシー、リバプールにトットナムを加えた、世界最高峰プレミアリーグの「ビッグ6」に名を連ねる。予算規模もメガクラブで、世界大手の会計事務所「デロイト」が発表している世界サッカークラブの収益ランキング(16-17年度版)は5位。そこに日本人選手が加わるのは初めての快挙だ。

板倉は、A代表の経験はないが、東京五輪を目指す世代別代表では守備の要として活躍しており、豊かな将来性を評価しての獲得になったとみられる。プレミアリーグでプレーするには、英国での選手登録のための労働許可証の取得が必要で、日本代表での出場歴などが加味される。A代表経験がない板倉は、同クラブへの移籍が決まった後、まずは欧州の他クラブへ武者修行に出る見込みだ。

板倉は川崎Fの下部組織出身で、15年にトップ昇格。186センチの長身を生かした空中戦と、川崎Fで鍛え抜かれた足元の技術には定評があり、東京五輪世代のU-23アジア選手権では主力として活躍し得点もマークした。昨季は出場機会を求め川崎Fから仙台へ期限付き移籍し、天皇杯準優勝に貢献していた。東京五輪世代の星が、スター街道への1歩を踏み出した。