2019年のJリーグが22日に開幕する。15年以来のJ1昇格を目指すJ2モンテディオ山形は、24日のアウェーFC岐阜戦からスタートする。

昨日の敵は今日の友だ。J2山形は、水戸ホーリーホックから移籍のFWジェフェルソン・バイアーノ(23)がブレークの予感だ。昨季の開幕戦で山形から開始2分に先制ゴール。後半8分にはダメ押しのPKを決めるなど、山形の開幕ダッシュを妨げたブラジル人ストライカーだ。まさに「にっくき男」が味方で加わることは頼もしいことこの上ない。「自分にとっては最高のスタートだったが、山形にとっては残念だったよね。でもそのおかげで自分に注目してくれたから、声をかけてもらったと思う」と因縁に感謝した。

水戸ではチーム最多11ゴールを挙げた。ゴール後のパフォーマンスでは、コーナーフラッグを引き抜いての銃撃ポーズでイエローカードをもらうなどサービス精神? も旺盛。気さくでフレンドリーな性格で、サポーターから愛された。「山形のサポーターと仲良くなって、たくさん喜びを分かち合いたい」と新天地でのプレーを心待ちにする。

まだ23歳と伸びしろがある。過去には19歳で来日し、J2北海道コンサドーレ札幌、東京ヴェルディなどで才能を開花させたフッキ、ヴェルディ川崎時代は18歳でJサテライトリーグでしか出番のなかったアモローゾらがブラジル代表まで上り詰めた例がある。「まずは日本でできるだけ長くプレーしたい。もちろんセレソン(ブラジル代表の愛称)は目標だよ」。186センチ、83キロと屈強な体で前線から積極的にプレスをかけ、ポストからシャドー、シュートまであらゆる役割をこなす気構えだ。就任3年目で勝負の年となる木山隆之監督(47)も「体は強いしスピードもそこそこあるね。相手のDFラインを後ろに下げることは、彼の役割として大きいと思う」と大きな期待を寄せている。

好きな選手はC・ロナウド(ユベントス)。「フィジカルを生かしたプレーと決定力、シュート技術には自信がある」と頼もしい。「目標は3つ。J2優勝、J1昇格、そして得点王になる」。昇格請負人を自負しながら、新たな厳しい戦いに挑む。【野上伸悟】