木山隆之新監督(48)率いるJ1ベガルタ仙台は、DFシマオ・マテ新主将(31)の1号でスタートした。

ホームに名古屋グランパスを迎えた開幕戦は先制しながら、1-1と引き分けた。終始試合を支配される展開だったが、90分間全員で守りきり、勝ち点1を手にした。16日のルヴァン杯浦和戦で大敗した悪夢を振り払う、1歩になった。

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J2で通算381試合を指揮した木山監督がJ1初陣で勝ち点1を得た。開幕直前の緊急補強が、崩壊状態だった守備を建て直した。4日前の19日、東京から期限付き移籍で加入したDF柳貴博(22)をスタメンに抜てきした。柳は昨季率いたJ2山形時代の愛弟子だ。対人守備と縦への推進力でアピールすると、「木山イズム」が浸透したように、粘りが生まれた。柳は「開幕から出るつもりで準備はしていました。勝ちきれなかったのは悔しいですけど、負けなかったのはよかったと思います」と、決して満足はしなかった。

1月からのキャンプ期間では新システム4-5-1を試していたが、前線のけが人が相次ぎ、16日の浦和戦に続き、この日も4-4-2でスタートした。木山監督は「先にスコアを動かせたのはよかった。前の試合の反省を踏まえて、もちろん勝利することがベストだと思いますけど、今日のように厳しい状況の中でも粘り強く戦って1ポイント取っていくことも重要だと思う」と総括した。

チーム状況のバランスと相手を見極めながら、次のステップに進む機会も狙っている。「常にやりたいことを持ちながらも、現実と向き合っていく必要もある。今日は相手が非常に強いプレスを仕掛けてくるチームだったので、少し後ろ返しにしていくということは現実的に必要だった」と、まずは公式戦初勝利を目指す。【相沢孔志】