ガンバ大阪のプロ23年目、元日本代表MF遠藤保仁(40)が新たな金字塔を打ち立てた。横浜F・マリノス戦に先発し、J1最多出場記録で楢崎正剛(元名古屋グランパスGK)に並ぶ631試合に到達。試合中にはシステム変更をベンチに進言するなど2-1の勝利に貢献した。

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J1最多出場は「心技体」のすべてがそろわないと実現できない記録だ。遠藤は横浜フリューゲルスで1年、京都パープルサンガで2年、G大阪で今季20年目というプロ通算23年目。この日で開幕先発のJリーグ記録を21年連続に伸ばし、23年すべての開幕戦に出場した。開幕先発を外れたのは京都時代の99年だけ。

631試合のうち途中出場はわずか27試合。歴代監督から常に大黒柱と認められ、過去22年でシーズン全試合出場は8度も記録。柔らかい体に加え、けがを防止するケアも一流だ。J1通算得点数は歴代13位の103ゴール(うちPKは歴代1位の31点)。上位12人はすべてFWで、MFではトップだ。

J1で1試合2度の警告による退場処分は、プロ1年目に1度あるだけで一発退場はない。警告は歴代10番目に多い75度も受けているが、累積による出場停止は最近10年間で1度もない。時には激しい当たりもいとわないが、反則せずに球を奪うなど高度な技術がある。G大阪や代表で稲本、明神、長谷部らと組めたことで経験値を高めた。

この数年、球の保持力が全盛時より弱まり、逆に球を奪われる場面もある。そんな他人の評価にこれまで一切、耳を傾けない精神的なずぶとさも遠藤の武器である。

◆Jリーグ最年長選手(開幕時) 今季J1では横浜FCのFW三浦知良(52歳11カ月26日)が最年長。2位は横浜FCのMF中村俊輔(41歳7カ月28日)、3位は鹿島アントラーズGK曽ケ端準(40歳6カ月19日)、4位は横浜FCのGK南雄太(40歳4カ月22日)、5位はG大阪MF遠藤保仁(40歳0カ月24日)と続く。