ヴィッセル神戸に新たな新型コロナウイルスの感染者が出た。3月30日にJリーグ選手では初めてとなる元日本代表DF酒井高徳(29)の感染を発表したばかり。その2日後の4月1日に2人目となる、トップチーム関係者1人の感染者を発表した。クラブ内で恐れていた感染者が増えたかたちだ。

トップチーム関係者の陽性判定が出たのは、前日3月31日午後9時。別のクラブ関係者も酒井の発表から24時間以上が経過し、新たな感染者がでなかったことで安堵(あんど)していた夜の時間帯に、連絡が入ったという。一夜明け、この日朝一番での発表となった。

今回の発表は「トップチーム関係者1人」。クラブによると「本人のこともあり、保健所と相談している最中なので、それ以上のことは言えない」。名前や役職などの詳細発表、会見も現時点で行わないという。

「トップチーム」とはプロ野球でいえば1軍にあたり、Jリーグの神戸は基本的に1、2軍を分けずに、今季は少数精鋭の27選手で編成している。大枠で選手を含めた場合、神戸では指導者、スタッフなど最低でも40人以上が、トップチーム関係者ということになる。

酒井が38度の高熱を出した3月25日から2週間前までさかのぼり、30日の会見で立花社長は「濃厚接触者の可能性がある人物をリストアップしている」と説明していた。クラブ関係者は「サッカーという団体競技の特性からも、複数のトップチーム関係者が、何がしらの酒井選手との接触があった」と明かす。

酒井の行動履歴から、どこまでが濃厚接触者かを保健所の判断、指示を仰いでいる最中だが、前述の証言のように、トップチームの複数の関係者が接触している可能性があれば、さらに感染者が増える可能性も否定できない。

11連休の最中だったチームは、当初は7日から練習を再開させる予定ではいたが、既に白紙の状態になっている。そこに新たな感染者が出た。現状では練習再開より、まずは全選手やスタッフ、関係者の健康を最優先にした方策をとっていくしかない。【横田和幸】