ヴィッセル神戸は22日、トルステン・フィンク監督(52)の電撃退任を発表した。今季末まで契約はあったが、21日に本人が辞意を申し出た。関係者によると、ドイツに残した家族とコロナ禍で約8カ月以上も会えていないことが理由で、クラブは慰留に努めたが本人は帰国を選んだという。

コーチ3人も退任し、23日鳥栖戦(ノエスタ)は、アシスタントコーチの肩書のままマルコス・ビベス氏(45=スペイン)が暫定的な指揮を執る。後任監督は未定。

昨年6月に途中就任したドイツ人監督は、天皇杯でクラブを初タイトル獲得へと導いた。今季も富士ゼロックス・スーパー杯で優勝し、クラブ史上最大の功績を残した。一方でJ1リーグ戦では最近7試合未勝利、ホームでも7戦未勝利で12位に低迷。残す目標は事実上、中断中のACLしかなかった。

今夏はMFイニエスタの故障などで選手のやりくりに苦しみ、逆転負けした前節名古屋戦後は、自身の選手起用のミスに言及。家族問題があったとはいえ、成績不振が辞任につながった可能性が高い。同監督は「私は家族の元に戻るという決断をした。このクラブの監督であったことを誇りに思う」などとコメントした。