北海道コンサドーレ札幌が20年ぶりのJ1開幕戦勝利を飾った。開幕戦初出場のMF金子拓郎(23)新人FW小柏剛(22)が躍動し、横浜FCを5-1で圧倒した。1分57秒とクラブJ1開幕最速弾となるMF駒井の先制点を皮切りに、金子が2得点、小柏も2アシストを含む3点に絡んだ。クラブ史上最多の開幕戦5得点で、21年シーズンの幕が開けた。

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開幕戦最多5度のゴールパフォーマンス。初めて開幕戦のピッチに立った金子と小柏は、まるで何度も経験したかのように喜びの輪に加わった。2人で全得点に絡み横浜FCを5-1で下した。2得点の金子は「開幕戦は勝てていなかった。ホーム開催でしっかり勝ちたかった。サポーターが後押しをしてくれた」。9年ぶりのホーム開催で20年ぶりJ1開幕戦白星の喜びを分かち合った。

試合開始わずか4分で流れを引き寄せた。まずは新人では9年ぶり開幕戦先発出場の小柏。敵陣深くでプレスをかけ、駒井の先制点を演出。4分には中央から快足を飛ばして、金子の1点目をアシストした。1点をかえされた前半45分にもFWロペスへラストパスを供給し、「練習でやっていることができた」と納得顔だ。

大学時代からペトロビッチ監督(63)に「明日からでも使いたい」と言わしめた小柏の存在は、2年目の今季から背番号9をつける金子にも火を付ける。「開幕戦に限らず結果にこだわってやってきた」。昨季、31試合出場4得点とブレークしたが、常に口にするのは「危機感」。左足骨折で開幕4日前まで合流できなかった指揮官不在のキャンプでも刺激し合ってきた。

5発の快勝にもペトロビッチ監督は「追加点を取れるチャンスで取り切れない」と反省点を挙げた。小柏も後半21分にGKと1対1の決定機を外したシーンを振り返り「シュート精度や落ち着きを磨かないと」。狙っていたハットトリックを逃した金子は「2点取っているからといって満足はしていない」と言った。まだ、発展途上。悲願のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場は若手が進化を続ける先にある。【浅水友輝】

○…入場者数の上限「50%以下」で開催されたホーム札幌ドームには、1万1897人のサポーターが駆けつけた。この日までに9試合行われたJ1開幕節で来場者数は唯一の1万人超え。試合前にはクラブ創設25周年を祝して主将も務めた元札幌MF芳賀博信氏からのメッセージが電光掲示板で紹介されるなど祝福ムード一色だった。