アルビレックス新潟は栃木SCと2-2で引き分けた。3連勝は逃したが、開幕からの不敗記録は9試合(7勝2分け)に伸ばした。

1-2の後半ロスタイム、右コーナーキックからDF千葉和彦(35)がヘディングで同点ゴールを決めた。後半11分に1-2と勝ち越され、敗色濃厚だった試合。開幕の北九州戦以来、自身今季2得点目で打ち消した。前半8分には今季初スタメンのMF矢村健(23)がオーバーヘッドで先制点。チームの勢いそのままに2戦連続得点を決めた。

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土壇場で千葉がチームを救った。後半ロスタイム、MF星雄次(28)のコーナーキックに競り合いながら頭で合わせる。ゴールを見届けると雄たけびをあげた。「何とか勝ち点1でも積み重ねたかった。いいボールがきたので合わせるだけだった」。意地でもぎ取った1点でチームの勢いを証明した。

互いに走り合い、ボールを奪い合う激戦。1-1の後半11分、縦パスをペナルティーエリアに入れられ、栃木のMF面矢行斗にこぼれ球を決められた。体を張った守備が1歩及ばなかった。それでも慌てない。栃木のハイプレスを千葉とDF舞行龍ジェームズ(32)のセンターバックを中心にボールを回して、回避。それを継続した。

最初にスタンドをどよめかせたのは矢村だった。前半8分、MF高木善朗(28)のクロスに合わせ、体を回転させながら振り上げた右足でヒット。オーバーヘッドで豪快にネットに突き刺した。2戦連続ゴールで今季2得点目。前節金沢戦(1○0)では途中出場でワンチャンスをものにし、決勝点を挙げた。好調さを買われ、この日は今季初先発。金沢戦後は決勝点を「9割、(本間)至恩のゴール」と控えめに話したが、今度は裏腹のド派手なスーパーゴールを披露した。

今季初の中3日。「先のことより目の前の試合に集中する。ケガ人もいるが、代わりに出場する選手が良いプレーをすることを願う」。アルベルト監督(53)は層の厚さに自信を持っている。開幕からほぼスタメンが固定されてきた中、伏兵の矢村がきっちりとアピールし、ベテラン千葉が大仕事。勝ち点3は逃したが収穫は大きい。

▽新潟アルベルト監督「栃木のプレスの激しさは素晴らしく、打開は難しかった。アウェーでの勝ち点1は重要。選手はプレースタイルを貫いた。誇らしく思う」。