WEリーグ3位のアルビレックス新潟レディースは2日、敵地で勝ち点5差の4位日テレ・東京ベルディベレーザと対戦する。2戦連発中のMF石田千尋(22)は1日の試合前日練習に参加し、フルメニューを消化した。現在、カタールで行われているアジア杯でパリ五輪の切符を手にしたU-23日本代表の主将、MF藤田譲瑠チマ(22=シントトロイデン)とは東京・町田の同郷。小学生時代にともにプレーもしたかつての仲間に負けじと、石田もピッチで存在感を示していく。

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3戦連発で3度目の「千尋スマイル」を披露する。前々節の4月21日長野戦、前節の同28日千葉戦、と続けてゴールを奪うなど、波に乗って臨む2日の日テレ東京V戦。「ぼちぼち、ぼちぼちです。狙いすぎずですけど、静かにメラメラはしてます」。欲は出し過ぎず、チャンスがあれば果敢にゴールへ迫っていく。

同世代の活躍が励みになる。U-23日本代表が8大会連続となるパリ五輪の出場権を獲得した。「知っている選手も何人かいる」と試合の結果は逐一チェック。その中でも、イラクとの準決勝で2アシストをマークした主将のMF藤田は東京・町田の同郷で、小学生時代にはトレセンでともにプレーした。「すごい上のところまで行っちゃったんで」。それでも「譲瑠には負けられないです。勝手に言ってますけど(笑い)」。遠い存在にはなっても、かつての仲間の頑張りは刺激にもなる。

チームとしても“勝ちたい”一戦だ。相手はなでしこジャパン(女子日本代表)のMF藤野あおば(20)ら強力な攻撃陣がそろう。「グループで崩してきたり、個でも打開できる選手が多い」と警戒しながらも、「自分たちにも堅い守備はあるので。チャンスは逃さず、隙をついていきたい」と真っ向勝負で挑む。

残り4試合で日テレ東京Vに勝ち点5差をつける新潟。差を広げることが出来れば、目標の「トップ3」もグッと近づいてくる。「本気で勝ちたいっていう本能を強く持って戦いたい」。強豪撃破で、今季初の4連勝をつかみに行く。【大島享也】

○…3位と4位の上位対決を前に橋川和晃監督(52)は「この時期に(上位対決を)迎えられることは幸せなこと」と感謝していた。昨季は勝ち点16で11チーム中と10位と低迷したが、今季は橋川監督の下、常に上位をキープしてきた。指揮官は「この状況を彼女たちが作り出してくれた。アリの一歩を積み重ねて作ったこの状況を、あとはエンジョイするしかないよね」と選手たちに楽しむことを求めた。