スペインサッカー連盟が21日、大スキャンダルに発展しているバルセロナの「ネグレイラ事件」に対する声明を発表した。

現在、バルセロナが長年に渡り、1994年から2018年までスペインサッカー連盟の審判技術委員会の副会長を務めたホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ氏の所有する企業「DASNIL95 SL」に、コンサルタント料として多額の金銭を支払っていたことが大きな問題となっている。ネグレイラ氏はかつて、スペイン1部リーグで13シーズン主審を務めた人物でもある。

この問題は、「DASNIL95 SL」が2016年から2018年にかけてバルセロナから約140万ユーロ(約1億9600万円)を受け取ったことで、検察が贈収賄疑惑で捜査を開始。世間に明るみになった。その後、バルセロナは2001年から2018年にかけて合計で約700万ユーロ(約9億8000万円)もの大金を「DASNIL95 SL」に支払っていたとさまざまなスペインメディアが報じた。

ネグレイラ氏は検察の調べに対し、判定に関してバルセロナを優遇したことは一度もなく、これらの金銭は全てコンサルタント業務による費用であることを主張。バルセロナも声明を出し、何ら問題ないものであることを伝えていた。

しかし、多くのクラブが審判買収に対する何らかの疑惑を持っており、まずセビリアとエスパニョールが20日に全ての事実を調査し、責任の所在を明らかにするように求める内容の声明を発表した。

これに続きスペインリーグが21日に代表委員会(1部=アトレチコ・マドリード、レバンテ、セビリア、ベティス、レアル・ソシエダード、カディス、ヘタフェ、ビリャレアル、2部=テネリフェ、アラベス、エイバル、ラス・パルマス、ルーゴ、ウエスカで構成)を開き、1、2部に所属する42クラブ中、バルセロナとレアル・マドリードを除く40クラブの支持を得て「ネグレイラ事件」に対する声明を発表。その際、この問題を深く憂慮していること、これに関連して不正があったかどうかを明らかにするため、真相究明に積極的に取り組んでいくことなどを宣言していた。

またスペインリーグのハビエル・テバス会長はこの問題を深刻に捉え、「もしラポルタがうまく説明できないのであれば、(バルセロナ会長を)辞任すべきだ」と辛辣に語っており、今後さらに注目を集めることになるだろう。(高橋智行通信員)