男子100メートルは高瀬慧(26)が日本歴代7位タイとなる自己記録10秒09で2位となった。

 正式タイム「10秒09」に、観衆1万6000人がどよめいた。高瀬が日本歴代7位タイの好記録をマークした。向かい風0・1メートルで前半から飛び出し、自己ベスト10秒00の張に競り勝つ。優勝したコッフィと同タイムの2位。自己ベストを0秒04更新して、世界選手権の参加標準記録10秒16をクリア。「絶対に(10秒16を)切るという意識だった」と言った。

 200メートルが本職の26歳が、日本人8人目の10秒0台。向かい風で記録した意味も大きい。本人は「風が吹けば記録が出るわけじゃない」と冷静だったが、記録が公認される追い風2・0メートルならば9秒台も視野だ。

 3日の静岡国際。200メートルで優勝したが、20秒67と平凡なタイム。何度もビデオを見直して「気持ちがなかった。ふがいないレースだった」。危機感を持って臨んだレースで爆発した。「6月の日本選手権では100メートル、200メートルで2冠を狙う。負けるつもりはない」。10秒0台に突入して、桐生と山県に挑戦状をたたきつけた。【益田一弘】