視覚障害者女子の道下美里(39=JBMA)は、圧倒的な強さで優勝しながらも3時間3分42秒のタイムに不満そう。「55分台を狙っていたのに、思うような結果が出せず悔しい」と世界記録(2時間58分23秒)どころか自身の持つ日本記録(2時間59分21秒)にも届かなかったレースを振り返った。30キロ過ぎまでは世界新ペースも、終盤失速。

 「ピッチ走法の限界を感じて、ストライドを大きくしている。それが、失速した原因かも」と分析した。昨年のロンドン・マラソン3位で、すでにリオ・パラ代表の推薦順位1位が決まっているだけに「リオに向けて、もっと鍛えないと」と話していた。

 同男子の岡村正広(45=RUNWEB)は「結果には満足している。これで自信を持ってリオで走れる」と2時間27分24秒の優勝を喜んだ。前回ロンドン大会4位のベテランは序盤からリード。終盤ペースが落ちただけに「後半に勝負できるスタミナをつけたい」とリオでのメダル獲得に意欲を見せた。

 この日はリオ・パラの最終選考レース。日本盲人マラソン協会(JBMA)はレース後、道下に次ぐ女子の推薦順位2位にこの日2位の近藤寛子(49=JBMA)、同3位に西島美保子(60=JBMA)を発表。男子は昨年のロンドン3位で同1位を決めている堀越信司(27=NTT西日本)に次ぐ同2位に岡村、3位にこの日2位に入った和田伸也(38=JBMA)を選出した。視覚障害マラソンの代表枠は未定で、6月に日本パラリンピック委員会(JPC)から出る枠数に応じて推薦順位1位から順に代表が決まる。