リオデジャネイロ五輪参加標準記録(16メートル85)を突破していた山下航平(21=筑波大)が“大チョンボ”で記録なしの悪夢を味わった。最初の2回がファウルに終わり、3回目の跳躍で16メートル越えを記録。上位8人に与えられる4回目以降に進めると安堵(あんど)し、起き上がった第1歩を踏み切り側に後退してしまった。

 3段跳びでは着地点より前方から砂場を出なければならないルールがあり、まさかの記録なし。4回目に進めず「16メートルの数字が見えて気が抜けてしまった。着地より奥で出ないといけないルールは知っていたんですが…」と肩を落とした。リオ五輪には強化委員会の推薦で選出の可能性を残すが、厳しい道となった。

 父訓史さん(53)は17メートル15の同種目日本記録保持者で、ソウル、バルセロナの両五輪に出場。父もスタンドから映像による検証を求めたが、今大会には設置されておらず、現場の審判による判定が採用された。山下は「言われてみれば、ずっと(着地後に)横から出ていたと思います。こうなって、あらためて気付かされました。父からは『気を抜くのも、普段の生活から常に気を配れる姿勢があったのかが、関係しているんじゃないか』と言われました」と静かに反省。親子2代での五輪出場が、思わぬ形で遠のいた。