昨年10月の福井国体少年女子A100メートル優勝の柴田・三浦由奈(3年)が、200メートルを大会新の24秒57で制し、100メートルと400メートルリレーに続き、3冠に輝いた。

昨年、ケガの影響で表彰台を逃した夏の全国総体での優勝に照準を合わせ、東北総体予選を兼ねた県大会で万全に仕上がった。

◇  ◇  ◇  

貫禄の走りだった。向かい風1・6メートルの悪条件の中、三浦が2位に1秒近い大差をつけゴールを駆け抜けた。自己ベストの24秒26には及ばなかったが、「力まずいい走りができた」と納得の笑顔を見せた。精神面での成長も見せた。予選、準決勝と向かい風に悩まされたが、「決勝は風を気にせず集中できた」としっかり修正。25日の100メートルでも向かい風1・9メートルの中、自己ベスト11秒79に迫る11秒91の大会新。花沢元監督(46)は「春からいい状態。元々トップスピードに入るまでの加速能力が高かった。あとは残りの30、40メートルが安定してくればさらに楽しみ」と評価した。

昨年4月に右足甲を疲労骨折。それでも6月の東北総体で全国切符をつかんだことで、日本一を目標に据えた。しかし、調整遅れから「勝つイメージが湧かない」と軌道修正。3年生で迎える今年8月の全国総体制覇に照準を合わせ、花沢監督とともに「400日計画」を立てた。しかし、潜在能力は想像を超えていた。通過点ととらえていた国体で優勝。それでも浮かれることなく当初の計画を遂行してきた。冬場も積極的にウエートトレーニングに取り組み、筋力アップを図ってきた。

159センチとスプリンターとしては決して大きくないが、「すごい素直で、何でも吸収しようとする」と花沢監督も認める努力家。100と200、どちらをメインかと問われると、「自分でもよく分からないんですよ。どっちもどっちかなあ」と笑った。それでも夢を実現する気持ちは揺るがない。「夏までにもっと調子を上げていって、インターハイでも3冠できるように頑張りたい」と強い決意を口にした。【野上伸悟】