オリンピック(五輪)3大会連続出場中の金丸祐三(33=大塚製薬)が、今後に向けての思いを口にした。

09年にマークした自己記録45秒16にはほど遠い、50秒49で1組最下位の6着。レース後は両膝に手をつき、取材エリアに歩を進めると「『ここで引退』という位置づけではなかった。来年に向けてのチャレンジの一環でした。でも、今日の状態を見て、一つ踏ん切りがついた。まだ言及は控えたいですが、僕の中で今日のレースで一区切りがついた」と率直な思いを明かした。

大阪高時代から400メートルの日本高校新記録を打ち立てるなど注目を集め、世界を舞台に戦ってきた。だが、今季もアキレス腱(けん)の痛みなどに悩まされ、この日のレース後には「遅えな」という感情になった。

「昔だったら悔しい気持ちが出る。人に負けて悔しいというより、自分の体が成長しない。たたいても、たたいても、跳ね返りがないのが悔しいというか…」

あくまでも来季に向けた挑戦の過程で、今大会にも出場を決めた。それだけに今後については、関係者に相談しながら、ゆっくりと考えるつもりでいる。

「もう少し考えようと思っています。周りは(近年)やめさせてくれない(笑い)。でも、大塚製薬の看板を背負っている以上、甘えるわけにはいかない。続けるとすればバックアップしていただけると思うけれど、僕がそれを許せない思いもある」

地元大阪でのレースを終え、33歳のベテランは隠すことなく、今の思いを発信した。【松本航】