日本陸連の瀬古利彦マラソン強化プロジェクトリーダー(64)が9日、節目を迎えるびわ湖毎日マラソンへ感謝の思いを明かした。

28日のレース(午前9時15分スタート、滋賀・皇子山陸上競技場発着)に向け、オンライン会見に出席。同マラソンは第76回を迎える今大会を最後に滋賀での開催を終了し、22年から大阪マラソンと統合することが発表されている。

現役時代に出場した瀬古リーダーは「僕自身はいい思い出はないので、辛かった思い出しかないですけれど…」とユーモアを交え「びわ湖が果たしてきた役割は、ものすごいものがある。歴史が物語っている」と感慨深げに振り返った。

琵琶湖を横目に走るコースでは、65年に前年の東京五輪で金メダルに輝いた故アベベ・ビキラさん(エチオピア)が2度目の優勝。沿道には約20万人のファンが駆けつけたという。瀬古リーダーはアベベさんらの名前を挙げながら「すごい人たちが歴史をつくってきた。『世界のマラソン、日本のマラソンを作ってきたんだな』と思います。それを大阪が引き継いで、歴史を紡いでいってもらいたい。終わったら『びわ湖、ご苦労さんでした』と言いたい」と思いを込めた。

今大会はペースメーカーを含めて415人が参加予定。新型コロナウイルス感染拡大を考慮して競技場は無観客とし、主催者は沿道での応援自粛も呼びかけている。【松本航】