今年1月1日のニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)を制した富士通は16日、優勝旗が所在不明になっている問題について、都内で会見を開いた。

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次回大会に向けて返還準備を始めた11月27日に判明し、紛失や破棄、盗難の可能性も含めて調査している段階で、この日は陸上競技連合に報告と謝罪を行った。

担当者による説明は以下

 

-経過について

現時点で所在不明になっております。連合様からは厳しいお言葉を頂戴しました。あってはならないことであり、責任を重く受け止めています。今後も引き続き優勝旗の捜索に全力を尽くすとともに、歴代優勝チームへの謝罪を行っていきます。深くおわびを申し上げます。このたびは誠に申し訳ありませんでした。

 

-いつ紛失を把握したか

6月中旬から本社のレイアウト変更がございました。11月27日に、次の大会に向けた返却準備で担当者が確認して所在不明になっていることがわかりました。紛失、それから盗難などいろんな可能性があり、報告がこのタイミングになりました。

 

-報告が遅れたとの認識は?

いろんな可能性を含めて、このタイミングになりました。振り返れば、もう少し早く報告できたのではないかと反省してます。

 

-オフィスを半減されていく計画がある。その影響は

今回の紛失した事態は、大変栄誉ある物をお預かりしている意識が十分ではなかった。反省しています。

 

-見つからない場合は、弁償などは?

連合様と相談して対応したい。当然、弊社の負担になる。

 

-盗難の可能性があるなら届け出は

12月6日に警察に相談してます。まだ盗難と断定できる状況ではございませんので、ご相談している。

 

-連合からは

遺憾の意を示された。それから歴代の優勝チームの関係者に誠意を持っておわびをしてほしいと言われました。

 

-歴代への謝罪について

歴代の優勝チームの方とご連絡を取っておりまして、謝罪の訪問をしたい。日程調整しています。

 

-紛失時期について

6月12日から11月27日まで、その間は優勝旗の確認はしておりませんでした。保管の体制のありかた、大変重要なものを預かっている認識が十分でなかった。

 

-所在が確認されていた時は、どんな形で保管がされていたか

専用の縦1メートルで、30×30の黒い専用のケースに入っていたと確認しております。

 

-どこに置いておいたか

汐留本社8階でIDカードを持った社員しか入れないセキュリティーエリアに置いておりました。通常のオフィスの一角です。

 

-所属選手への説明?

12月14日に経緯の説明と、選手のみなさんに大変の心配と迷惑をかけたと謝罪しました。本件は会社に全責任がある。選手のみなさんは試合に集中してほしいとお伝えした。

 

-最後の確認は誰が

総務部の担当者が目視をしております。11月27日に総務部の中で、いつ確認したかということで聞き取りしたところ、6月12日にフロアにあったと。(その人は)優勝旗の担当ではない。廃棄物を置くエリアと補完エリアは分けてありました。ただ、間違って廃棄物と一緒に廃棄している可能性も否定できない。紛失、廃棄、全てのケースを想定して捜索していきます。

 

-処分などは?

今日の時点では話をしておりませんが、本件につきましては、すべての責任は会社にあると思っております。

 

ニューイヤー駅伝は1957年(昭32)に始まり、実業団男子の駅伝日本一を決める権威ある大会。1988年から「ニューイヤー駅伝」として1月1日に群馬・前橋市を舞台に開催されており、元日の風物詩となっている。歴代最多優勝は旭化成の25回で、富士通は今年1月の大会で12年ぶり3度目の優勝を遂げている。