皆さんは知っているだろうか。
認知されているだけで約10万人もの子供たちが虐待に苦しんでいることを。
そして、7人に1人の子供たちが経済的ハンデを背負っていることを。
私もHEROsの取り組みに参加する中で知った1人だ。
「世界中の子供たちが幸せであってほしい」
その想いが繋がり、先日、日本財団HEROsが主催する「HEROs DREAM」に参加する機会を頂いた。
「HEROs DREAM」とは、アスリートとファンの協力により社会貢献活動を広げる寄付連動型プロジェクト。アスリートは「様々な困難に直面する子どもの支援」のために寄付を呼びかけ、参加・協力してくれたファンに対して”特別な体験”を提供するというものだ。
今回は、元プロサッカー選手や元ラグビー日本代表選手を中心に、様々な競技のアスリートが集まった。総勢30名のアスリートと共に、スポーツやBBQができるという「夢の交流会」。普段、なかなか接することの出来ないトップアスリートたちとスポーツの話はもちろん、プライベートな会話や写真撮影など、贅沢な時間を楽しんだ。そして、GAKU-MCさんによるスペシャルLIVEも行われ、参加者たちは身も心も充実した1日を過ごした。
私自身もこれまで、学校体育では様々な競技を経験してきた。しかし、ケガをしてしまっては本業の飛び込みが出来なくなる。特にボール競技。突き指や、ボールを追いかけて足を挫いてしまう事が恐かった。そのため、あまり本気でやったことがない。
しかし、今回のスポーツ交流のメインはラグビーとサッカー。苦手意識がある中での参加だった。
特にラグビーは、テレビで見たことがあるくらいで、ラグビーボールには触れた事もなかった。あんなに硬くて飛び方も不安定なボールを、どんなに遠くからのパスでも簡単にキャッチする選手たち。それだけでラグビー選手の凄さを感じた。
それに対して、サッカーはとても身近なスポーツ。幼いころ、あまりサッカーをした事がない私の家にもボールはあった。
目の前の選手が簡単そうにボールを蹴っていたので、私もマネをしてみた。しかし、うまく蹴れないどころか、予想もしない方向にボールが転がっていってしまう。まるでボールに遊ばれているかのようだった。足でボールをコントロールする事の難しさを改めて感じた瞬間だった。
アスリート同士ですらリスペクトし合うような今回のイベント。参加者の皆さんは、夢のような時間であったことは間違いないだろう。
更に今回は、健常者だけでなく、デフキッズ(聴覚障がいのある子供)や難病により長期療養をしている子、そして車椅子などの身体障がいのある子供たちもたくさん参加してくれた。手話を覚えて会話をしたり、車椅子を押して一緒にゲームに参加したり。正直、初めての体験ばかりだった。しかし、アスリートを含め、参加者全員から笑顔があふれる素晴らしい時間だった。
今思えば、海外で生活している時は、スーパーのレジやレストランのウエートレスなど、身体障がい者の方をよく見かけた。しかし、日本ではあまり見かけないし触れ合う機会もない。なぜ今まで不思議に思わなかったのかが不思議だ。
もっともっとお互いを知り、「多様性を認め合う社会」にしていくことが、たくさんの子供たちを救うことに繋がるのではないだろうか。
スポーツを通してだけではなく、日々の中でも出来ることはあるはず。これからも、小さな事でも「行動」に移せる「勇気」を持ちたい。
(中川真依=北京、ロンドン五輪飛び込み代表)