ヤマハ発動機の日本代表FB五郎丸歩(29)が前半15分にトップリーグで14年1月以来のトライを決めた。キックは7本中6本を成功させるなど19得点の活躍で、NECを下した。だが19年のW杯にも使用される静岡・エコパスタジアムのリーグ初開催で、入場者数は1万3051人にとどまった。満員の観衆を期待したが、収容人数5万人にはほど遠かった。

 五郎丸は前半15分、右サイドでパスを受けると、ステップを切り、2人をかわした。最後はタックルを受けながらも右手を伸ばし、ボールをたたきつけた。際どいプレーは、ビデオ判定でトライと認められた。W杯では年間最優秀候補にも挙がるトライを決めたが、トップリーグでは14年1月18日のサントリー戦以来の1年10カ月ぶり。「自分のトライは何とも思わないが、連勝できたことはチームとってプラスになる」と振り返った。

 エコパスタジアムには、今季最多の1万3051人が訪れた。だが五郎丸は「5万人入って欲しかった。やり方によってはまだ集まる」と満足していなかった。26日には、自身のブログでもチケット販売の告知をした。自身の試合を見にきて欲しいからではなく。来年後半に予定されているW杯の組み合せ抽選会と試合日程発表に向けて、国際統括団体「ワールドラグビー」へ売り込む機会ととらえていたからだ。五郎丸は「4年後にこの会場に好カードを持ってくるために、素晴らしい環境だとアピールする場だった。まだ情報発信が足りない」と訴えていた。【大野祥一】