全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)は今日5日から東京体育館で開幕する。静岡の女子は3年連続8回目の富士見が出場。初戦突破を目指し、高崎健康福祉大高崎(群馬)と対戦する。小林冬季(3年)は厳しい練習を乗り越え、県屈指のセッターに成長した。

 スコア、相手ブロッカーの高さ、その日のスパイカーの調子などを考慮し、トスを上げる。小林冬は「本当につらい練習をしてきました」と振り返る。1年時、身長168センチの高さ、素質を認められ、甲斐健悟監督(32)からセッター起用を伝えられた。以降はトスワークの猛特訓。練習試合のセット間の短い時間でも、同監督の投げるボールをひたすらトスし続けた。練習後も1時間以上、1人でトス練習する日もあった。

 2年となった春、苦悩のあまり、家でも学校でも涙が止まらなかったという。小林冬は「練習がつらくて、トスも上がらず悔しかったです。でも先輩とかに励まされて続けられました」と感謝の言葉を口にした。1年から春高バレーに出場してきたが、2年連続で初戦敗退。小林冬は「勝つも負けるもお前次第と言われてきたので、なんとしても勝ちたいです」と強調した。甲斐監督から「一番欲しいところに上げられるようになり、選択を間違わなくなった」と期待される。国体を含め、多くの全国を経験してきた大型セッターが、集大成の舞台に挑む。【大野祥一】