タクシー運転手を殴り料金を踏み倒したとして、警視庁府中署が昨年12月31日に強盗致傷の疑いで、ラグビー元オーストラリア代表でトップリーグのサントリーに所属するジョージ・スミス容疑者(37)を現行犯逮捕していたことが17日、同署への取材で分かった。スミス容疑者は酒に酔っていたという。

 スミス容疑者の逮捕容疑は昨年12月31日午前0時10分ごろ、自宅に近い東京都府中市宮町1丁目の路上で、タクシー料金約1万円を払わず逃走。追い掛けてきた男性運転手(58)の顔や胸などを殴り、けがをさせた疑い。府中署によると、容疑者は当時、都内で飲酒した後だったといい、調べに「酔っぱらっていて覚えていない」と容疑を否認している。

 逃走した際、周囲にいた人が110番し、駆けつけた署員が取り押さえた。

 スミス容疑者は元オーストラリア代表フランカーで、テストマッチ111試合に出場した世界的な名選手。密集戦でボールを奪う技術に優れ、サントリーでは11年度から2季連続でトップリーグ最優秀選手賞を受賞。16年にはイングランドの選手協会による年間最優秀選手にも輝いた。

 今季もチームの中心として活躍していたが、背中の負傷により、10月21日の試合を最後に戦線を離脱。チームが2連覇を果たした今月13日の日本選手権を兼ねたトップリーグ決勝も出場しておらず、会場の東京・秩父宮ラグビー場にも姿を見せていなかった。

 サントリーホールディングス広報部は「当社ラグビー部がプロ契約しているジョージ・スミスが逮捕されたのは事実です。被害者の方、関係者の方には心からおわび致します。被害者の方には誠意を持って対応させていただきます」とコメントした。同社によるとスミス容疑者との契約は19年1月31日までという。

 スポーツ界では昨年から大相撲の元横綱日馬富士関の問題やプロ野球巨人投手の暴行騒動など、飲酒を巡るトラブルが続いている。