最軽量のリオ銅中村美里、順当勝利で朝比奈と激突も

2つ目の夢に挑む-。08年北京、16年リオデジャネイロ五輪柔道女子52キロ級銅メダルの中村美里(29=三井住友海上)が21日に横浜文化体育館で行われる、体重無差別で争う「全日本女子選手権」に初出場する。

出場37人中、29歳の最年長で56キロの最軽量で夢の大舞台へ挑戦する。中村は「皇后杯(=全日本女子選手権)出場は、五輪金メダルと同じぐらい夢だった。挑戦出来ることが本当にうれしく、心身ともに楽しみたい。柔道は体の大きさだけでないことも証明したい」と意気込みを示した。

リオ五輪後の17年4月、「柔道以外の視野を広げたい」との理由で筑波大大学院に入学。スポーツ健康システムマネジメントを専攻し、12年ロンドン五輪女子57キロ級金メダルの松本薫さん(31)らを題材に「柔道トップアスリートの妊娠・出産」を研究した。昨年10月の福井国体以降は、本格的に修士論文の執筆に着手し、稽古は12月頃から週1~2日に激減した。論文提出を終えた2月から強度の高い稽古を始め、無差別対策として体重も56キロまで増量させた。同じ所属で70キロ級世界選手権2連覇の新井千鶴(25)らと組み合い、鍛錬した。3月の東京都予選では、巧みな組み手とスピードある足技を積極的に繰り出し、「中村らしさ」を貫いた。延長戦が続いたが、8強入りして本戦の出場権を獲得した。軽量級では異例の挑戦だったこともあり、体の回復にこれまで以上の時間を要した。「ダメージが大きすぎて『事故』かというぐらいの疲労感だった」。

本戦では1回戦から18年世界ジュニア選手権78キロ超級金メダルで体重110キロの児玉ひかる(20=東海大)と対戦する。順当に進めば準決勝で東京・渋谷教育渋谷高の後輩で78キロ超級世界女王の朝比奈沙羅(22=パーク24)と激突する可能性もある。

世界選手権の代表争いは事実上、朝比奈とアジア女王の素根輝(そね・あきら、18=環太平洋大)との一騎打ちだ。その一方で、世界選手権を3度制し、五輪3大会に出場した中村は柔道との向き合い方も変わり、もう1つの夢にチャレンジする。「強化でトップを目指すだけが全てではない。柔道が好きな気持ち、その思いがある限り現役を続けたい」。平成元年生まれの29歳の柔道家が、平成最後の大舞台へ挑む。

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  • 全日本女子選手権東京都予選で78キロ超級の選手と対戦する中村美里(右)(撮影・峯岸佑樹)