全日本バレーボール高校選手権(20年1月5~12日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ)男子に佐渡(新潟)が初出場する。1、2年生で構成するチームでの全国挑戦に地元の期待も高い。「目標は4強。一戦必勝で戦っていきたい」と北村宏樹主将(2年)。大会初日5日の1回戦で鹿児島工と対戦。勝てば2回戦で東亜学園(東京)とあたる。初戦を白星で飾り、「春高バレー」の舞台でも旋風を巻き起こすつもりだ。

“島の誇り”が全国に挑む。新潟市内からフェリーで2時間。練習試合をするのもひと苦労という環境だからこそ北村は「1つ1つのプレーが貴重。時間を大切にする習慣がついている」とチームの特徴を明かす。だが、県王者への道のりはそう簡単ではなかった。1、2年生の若いチームで、源氏篤史監督は「できに波があった」と振り返る。メンタル次第で結果が左右する不安定な時期もあった。

チームが大きく成長したのは夏休みだった。エース北村が県選抜に招集された。チームは主将兼エース不在の中、県外チームとの練習試合を重ねた。「チームはもちろん、長期間チームを離れている北村自身も、互いにつらい時間だったと思う」と源氏監督。だが、エース不在の時間は選手1人1人を成長させ、県選抜で経験を積んだ北村が再合流した秋、チームは一気に伸びた。

迎える全国大会でも1戦1戦を成長につなげていく考えは変わらない。中学時代には北村ら現在の佐渡高バレーボール部の中心メンバーが所属したクラブチームが全国準優勝に輝いており、技術に加え、経験も十分。北村は「昔からテレビで見ている『春高』を意識し過ぎなければ緊張も最小限に臨めるのでは」と大会の雰囲気にのまれないことを勝利へのポイントに挙げた。

部員全員が佐渡出身であり、北村は「結束が最大の武器」だと語る。「この仲間たちと高校でもバレーボールを続けたくて佐渡高に入りました。それが全国で一緒にできるなんて、とても幸せです」。全国の舞台で楽しんでプレーした先には勝利が待っている。

◆北村宏樹(きたむら・ひろき)2003年(平15)2月2日生まれ、佐渡市出身。金井小-金井中。金井ジュニアでバレーボールを始め、中学は佐渡レッドシーブリームスに所属。最高到達点は3メートル10センチ。好きな言葉は「痛みなくして得るもの無し」。170センチ、63キロ。