東京オリンピック聖火リレーが交通渋滞にはまった。東京五輪・パラリンピック組織委員会と東京都は15日、3月に始まる聖火リレーのリハーサルを都内で実施。羽村市、国分寺市、八王子市の計2・3キロ、13走行区間をグループランナー(10人)を含む22人の聖火ランナーがつないだ。羽村市では約15分、八王子では約10分スタートが遅れるハプニングが発生。本番に向けて時間管理の重要さが浮上した。

聖火リレー公式アンバサダーで女優の石原さとみが登場した羽村市で遅れ、同じく公式アンバサダーでパラリンピアンの田口亜希さんが車いすで走った八王子市もスタートが遅れた。唯一時間通りだったのは、車両を使わずランナーだけが「お鷹の道」を走った国分寺市だけ。組織委聖火リレー室の山崎太朗部長は「致命的な問題こそ発生しなかったが、時間配分という課題が明確になった」と説明した。

この日のリハーサルはランナーが代役で、トーチに火こそつけないが、本格的なもの。東京ディズニーランドのエレクトリカルパレードのように目立つスポンサー車両4台を始め、大会関係車両や警察車両など約30台が隊列を組んだ。すでに非公開で準備はしていたとはいえ、他の交通もある公道で時間通りのマネジメントは簡単ではなかった。

スタッフ総数約1000人。全国自治体の聖火リレー実行委員会から約500人も視察した。この日リレーを見守った国際オリンピック委員会(IOC)の担当者からは「史上最も熱気のある聖火リレーになるだろう」と絶賛されるほど盛り上がったが、進行が時間通りでないと交通規制などにも影響してくる。

3月26日に福島・Jヴィレッジをスタートする本番のリレーでは、1日約100人が走る。時間管理は最大の課題になる。沿道の声援に手を振って走った石原は「気持ちがたかぶって、どんどん速くなってしまって。1歩1歩踏みしめて走らないと」と振り返ったが、あまりに隊列の準備が遅れるようだと聖火ランナーたちにも「駆け足」が必要になるかもしれない。