道内高校バレーボール界に新風を吹かす。今春、札幌大谷男子バレーボール部が発足する。全道中学選抜優勝の札幌大谷中から進学の6人、外部中学からの新戦力6人の計12人で船出する。初代監督は、とわの森三愛(現酪農学園大とわの森三愛)主将として07年全日本高校選手権(春高バレー)16強、国体4強の三原隆佑氏(30)。メンバーが最上級生となる22年度の全国大会進出を目指す。

1年生軍団が、始まりの日を待ち焦がれている。新型コロナウイルスの感染拡大で、札幌大谷男子バレーボール部はまだ船出できないでいる。一時、外部中学からの新入生合格後の2月に全員での練習を開始したが、3月以降は練習休止に。今は4月中旬予定の再始動に向け、各選手が自主トレーニングで力を蓄えている。札幌大谷中で主将を務め、高校でもリーダーとして期待される丹治天晴(あせい)は、そんな状況下でも「1年目はまず全道8強。3年生で全国を狙えるよう力をつけたい」と明確な目標を掲げた。

精鋭がそろった。17年創部の札幌大谷中は3年目の昨年5月、全道中学選抜を初制覇。続く全国中学道予選は8強止まりも、高校では外部からの新入生加入で戦力は上がる。江別中央中で昨年全国中学8強のエース候補、180センチの大沢大翔(ひろと)、179センチの大型セッターで、北海道選抜として昨年ジュニアオリンピック杯に出場した旭川神楽中の小原和也らが合格。小原は「1年目から思い切ってぶつかっていきたい」と力強く話した。

11年まで3年間で女子部を5度全国に導き、17年から中学男子監督を務めた平本和久氏(44)が中高統括の総監督となり、三原監督をサポートする。中学からの6年一貫指導体制で、最強チームを築いていく。平本総監督は「まだ身長は伸びる。今の平均は170台中盤だが、2年後にはサイズも大きくなる。そこで勝負できたら」と成長力に期待した。

道高校バレー界の勢力図に風穴をあける。最近10年の高校総体、春高の出場回数は、東海大札幌が計16回、酪農学園大とわの森三愛9回、北海道科学大高7回、札幌藻岩4回と、ほぼこの4校が中心。三原監督は「新しい風を吹かせたい。全国経験のあるチームの中に、割って入れるように」と気を引き締めた。

同校は09年の共学化以降、サッカー部が全国大会常連となり、野球部は18年明治神宮大会優勝、昨春センバツでも初出場初勝利を挙げた。次は男子バレーボールが1歩ずつ駆け上がり、全国区を目指す。【永野高輔】

◆札幌大谷と運動部 男子はサッカー部が総体に5度、選手権に2度出場し、野球部は18年の秋季全道で初優勝し同年の明治神宮大会優勝、初出場の昨春センバツで1勝を挙げた。女子はバレーボール部が最近10年で総体7回、春高6回出場。卒業生のオリンピック(五輪)代表には中村コウ(36年ベルリン、陸上)小森芳枝(64年東京、フェンシング)種田恵(08年北京、競泳)らがいる。