浅田真央さんに聞いた…ツアー再開、初のライブ配信

  • 浅田真央さん(2018年4月28日撮影)

フィギュアスケーターの浅田真央さん(29)が座長として全国を回る「サンクスツアー」が、15日の滋賀公演(滋賀県立アイスアリーナ)から再開する。新型コロナウイルスの感染拡大で、2月の公演を最後に延期が続いていた。国内では他のアイスショーでも延期や中止が続き、試合を含めてもコロナ以後で初の観客を入れての興行になる。観戦者を滋賀県在住者に限る感染対策などをとる一方で、16日の公演ではライブ配信も行う。浅田さんに思いを聞いた。【取材・構成=阿部健吾】

   ◇   ◇   ◇

真夏のリンクにスケーターたちが帰ってくる。

「私もコロナの期間中、自宅でパワーをためていましたので、爆発できるように。みなさんに良いショーを届けられるように頑張りたいです!」

浅田さんの気持ちは、前を向く。多くのアイスショーが開催することがかなわず、競技会も同じく中止などの判断が続く。現役、プロを問わず、氷の上で表現し、見る人に勇気や感動を届けてきたスケーター。誰もが再びリンクで、人前で滑る日を心待ちにしてきた。日本フィギュア界のヒロインが、その先陣を切る。

「今までは全国のみなさんに感謝を届けるのをテーマにやってきたのですが、コロナが大きくなってしまい、感謝を届けるだけではなく、日頃のいろんなことを忘れてもらえるような、良い舞台ができたらいいなという思いにも変わってきましたね」

サンクスツアーは18年5月に初演を迎えた。17年に現役を引退後、それまでの応援のお礼を込め、全国各地で公演してきた。過去の演目をツアーメンバーとともに、新たな解釈で演じてきた。「感謝」、その一心に、新たな思いも加え、日常の不安などもいっときでも忘れてもらえるようなショーを作り上げる。

「以前とは違う形式で、席も離したり、マスクをしていただいたり、声援をなくしたり、消毒をしてもらったり、対策は取ります。私たちも練習の前にはみなで抗体検査をし、公演の前にも検査して、対策をして臨みたいなと思います」

席数を減らし、演者側も細心の注意を心がける。以前は観客と触れ合う演出もあったが自粛する。

「お客様に近づけないのは残念な部分ですが、それだけでなく、たくさんの見どころはあるので、楽しんでもらいたいです」

見どころの1つは、新たな試みにもある。初めてショーをライブ配信する。

「ほんとにスペシャルな企画だと思います。私自身もワクワクしています。もちろん、生のライブほどいいものはないんですけど、またそれはそれで、自宅や外で見られる良さはあると思います」

7月には自分が「見る側」になった。自宅から浜崎あゆみのライブ配信を見た。自分が「見られる側」になった時のこともイメージした。

「顔もすごく見ることができたり、ライブなので、同じタイミングで共有できるのは、すごくいいですね。つながりを感じました。おうち時間が少しでも明るく、元気な滑りを届けられたらいいなと」

日本、世界の津々浦々へ届けられる一体感。コロナ以前になかった新たな可能性も感じ、氷上に立つ。

   ◇    ◇    ◇

○…滋賀公演は滋賀県民限定で開催される。「滋賀県における新型コロナウイルス感染拡大防止策」に基づいた対策をとって実施。会場の収容人数の約50%に客席を抑え、席の間隔も空け、マスクの着用もお願いする。16日の公演は、ライブ配信を行う。カメラを多く設置して、映像を届ける。視聴チケットは2500円で記念品付き。詳細は「浅田真央サンクスツアー」の公式サイト(https://maotour.jp/live.html)に掲載。

◆新型コロナウイルスとフィギュア 他の競技同様に国内外で大きな影響が出た。国際大会では19-20年シーズンの世界一を決める3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)が中止となった。国内ではオフシーズン恒例のアイスショーが立て続けに中止、延期に。感染拡大後、15歳以上のシニアが出場できた大会は、8月1、2日の北九州オープン競技会「飯塚杯」(福岡)が初。国際的にはジュニアGPシリーズの全戦中止が決まっている。