世界王者、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、男子では52年ぶり史上3人目の年間4大大会全制覇に王手をかけた。東京オリンピック準決勝で敗れた同4位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に4-6、6-2、6-4、4-6、6-2のフルセット、3時間半を超える激闘を制し、男子歴代最多4大大会21度目の優勝にも残り1勝に迫った。同2位のメドベージェフ(ロシア)との決勝で快挙に挑む。「この大会1番の最高の雰囲気だった。夢に見るような瞬間だった」。

すさまじい打ち合いで、第4セットには50本以上のラリーが続く壮絶なバトルがあった。そのセットを失い最終セットに入ったが、一気に5ゲームを連取。五輪で敗れた雪辱を果たし、快挙に王手をかけた。

男子史上初の年間4大大会全制覇に五輪を含む年間5冠を狙い、五輪には挑んでいた。しかし、ズベレフ相手に第1セットを1ゲームしか落とさずに先取しながら逆転負け。ショックで3位決定戦も勝てずに、金どころかメダルさえ逃した。

その悔しさが、この日の勝利への原動力だった。マッチポイントでズベレフのバックがネットになると、ジョコビッチは両手を突き上げた。いつものように試合後にコート上に手を置き、その手を天に向け神に、「残り1試合しかない。生涯最後の試合のつもりで挑む。レッツゴー!」と報告だ。

◆全米オープンテニスはWOWOWで全日生放送、同時配信される。