県高校総体バスケットボールが27日、県内各地で開幕する。

男子では浜松学芸(西部11位)が17年ぶり2度目の出場を果たした。全員で守って攻撃するチーム力に磨きをかけ、初戦突破を狙う。女子では静岡高(中部10位)が6年ぶりに県大会へ駒を進めた。1年時から同級生チームメート不在だった唯一の3年生のSF蝦名実菜主将がチームをけん引し、上位を目指す。【倉橋徹也】

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部員不足に悩まされてきた静岡高が、11選手で6年ぶりの県大会に臨む。チームを引っ張るのは、蝦名だ。2年時からエースとして活躍。甲斐文子監督(35)から「ボール運び、得点、リバウンドのすべてに絡む、チームになくてはならない存在」と頼りにされる。そんなオールラウンダーは中部地区大会で全試合平均20得点を挙げ、チームを目標の県出場に導いた。

入部時から「相談できる同級生がいないのは不安だった」と孤軍奮闘に近かった蝦名をプレーで援護してきたのは2年生エースのC梅本理世だ。指揮官から「ペイントエリア内の1対1とリバウンドに関して、県内屈指の選手」と評され、今予選でも全試合平均25得点とダブルエースの一翼を担った。当然、蝦名とともに相手守備からマークされがち。だが蝦名は「相手が寄った隙を見て他の選手でゴールを狙う」。当の梅本も「周りの手助けをもらいながら、抜けたら相手を抜く」と意気込んだ。

2人を中心として臨んだ予選の9位決定戦では、島田に72-78と惜敗した。最後に勝敗を分けたのは当たりと気持ちの強さだったと指揮官。「相手が上だった」と話した。しかし選手主体で意思疎通を高めた今、今度は自分たちが当たり負けない気持ちで県大会に向かうつもりだ。

1回戦では浜松聖星(西部2位)と対戦。梅本は、今大会を最後に引退する蝦名と「1試合でも多く一緒に戦いたい」。これまでけん引してもらった恩返しの意を込める。1998年のチーム最高成績の4位を超えたい。