4日に行われたテニスの全仏オープン(パリ・ローランギャロス)女子ダブルス3回戦で、加藤未唯(28=ザイマックス)アルディラ・スーチャディ(28=インドネシア)組が「ボールガール直撃」騒動で失格となった件に関して、プロテニス選手協会(PTPA)が「処分は不当で不均衡で不公平」とする声明をSNSに投稿した。

「ミユ・カトウの全仏オープン失格に対するプロテニス選手協会の対応について」と題し「スポーツに関わる全ての個人、特にボールガールとボールボーイの安全とウェルビーイング(幸福)を確保することが私たちの最優先事項であることを約束します。しかし、ミユ・カトウとアルディラ・スーチャディを失格とした決定は、不当で不均衡で不公平なものです」と指摘した。

問題の場面では、相手コート側にいたボールガールへの加藤の返球が後頭部を直撃。泣いてしまったことで波紋を広げたが「この事件は偶然であり、決して攻撃的な性質のものではなかったことは明白です。コードバイオレーション(テニス界の反スポーツマンシップ)や失格につながることはないはず」と擁護した。

主審からは当初「警告」を宣告されたが、加藤の直接謝罪後もボールガールの涙は止まらなかった。さらに、対戦相手のマリエ・ブズコバ(チェコ)サラ・ソリベストルモ(スペイン)組が抗議したことで審判と主催者側が再考、判定を覆し、危険な行為となって「失格」を言い渡された。

泣きながらコートを去った加藤のSNSによると、賞金没収とポイント剥奪の処分を受けたという。

これについても、権利を侵害されたとして選手の側に立ち「少なくともミユとアルディラの賞金とランキングポイントを回復させる必要がある」と強調した。

最後に「私たちは、不当な扱いを受けた全ての選手たちとの揺るぎない連帯感を表明します」と宣言。「この状況に対処し改善するため、私たちはフランステニス連盟とグランドスラム(4大大会)委員会の双方と積極的な対話を始めています。既にミユ・カトウ本人とも直接コンタクトを取りました」と明らかにした上で「オープンな議論を促し、全ての選手たちにとって公平で公正な環境を整えることが私たちの目的です」と締めた。

この件については加藤も翌5日、失格となったことを不服とし、大会側に提訴したことを明言している。

PTPAはノバク・ジョコビッチらが20年8月に創設した。

◆放送 全仏オープンテニスはWOWOWで連日生放送。WOWOWオンデマンドでは日本人選手の試合が全試合ライブ配信される。