16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)女子シングルス銅メダリストで、21年東京五輪代表の奥原希望(28=太陽ホールディングス)が初戦敗退となった。

14-21、10-21でキム・ガウン(韓国)にストレート負けも、3月のスイスOP以来のフルゲームに「ここに戻って来れて、まずは良かったな」と実感を込めた。

奥原は昨年8月の世界選手権や同12月全日本総合選手権で右足や左ふくらはぎなどを痛め、今年3月のスイスOPでも負傷。この日は途中棄権となった6月13日のインドネシアOP以来のツアー出場となり、左足にテーピングを巻いて臨んだが、相手のスピードについていけなかった。

復帰戦は完敗。ただ、会場を引き上げる際には笑みも浮かべた。「難しい展開ではありましたけど、要所では自分のプレーも出せました。まずは良いスタートを切れたんじゃないかな」。復活への1歩を、明るい表情でかみしめた。

ライバルたちを追う状況にも前を向いている。5月から24年パリ五輪の選考レースが始まる中、世界ランキングは日本人5番手の35位。「焦る気持ちはとっくのとうに過ぎている」と飾らない口調で言う。

「最初からうまくいくことはないと覚悟はしていたので、自分なりの道を進んでいけたら」

つとめて明るく続けていたが、取材エリアでは感謝の涙をたたえる場面もあった。「ここに来るまでにすごくたくさんの方に支えてもらったので、そこはなんだろう、コートに立って最後まで試合できたことを、そういう方々に届けられたのがポジティブかな」。視線を斜め上に向けながら、感慨深げな表情を浮かべていた。

1カ月後には世界選手権(8月21~28日、デンマーク)も控える。「フィジカルと自分の武器でもあるフットワークの強みを磨いていかないと」。自分なりの速度で、復活への歩みを進めていく。